明日の株式相場に向けて=「自動運転祭り」今から狙う中小型株リスト
週明け31日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比93円安の6万6311円と反落。きょうは、前週末の米半導体株安が休日を挟んでリスク回避ムードを醸成し、朝方は先物主導で日経平均が大幅安、一時下げ幅は1500円超に広がった。しかし、6万5000円近辺では機械的な買いオーダーが作動するようなプログラムが組まれているのか、25日移動平均線を絡めた狭いレンジでのもみ合いトレンドに変化はない。きょうも寄り後6万4000円台に沈む瞬間はあったが、その後は踵(きびす)を返して上値指向、一貫して下げ渋る展開へと変わった。結局、小反落で着地しTOPIXは8連騰とこちらは強気相場を地で行く展開となっている。半導体関連株はひと頃のように一斉に上下同じ方向に振れることが少なくなってきた。これは「非AI・半導体関連」銘柄に対するリターンリバーサル狙いの買いと融合して、全体相場の値動きを膠着させる背景となっている。
前週28日にジャクソンホール会議で講演したウォーシュFRB議長のコメントは、タカ派寄りだったとの見方がもっぱらである。ウォーシュ氏はフォワードガイダンスに否定的なスタンスを標榜し、あまりマーケットを揺さぶるようなコメントはなさそうだという見方が強かったが、結果的に金融政策のシグナルを強く発することとなった。政策路線のビジョンを提示することなく現状認識に徹するのだが、ガイダンスなくして聞き手にシナリオを描かせるという構図で、フタを開けてみれば従前とあまり変わらない形となった。
現在地におけるインフレへの警戒をウォーシュ氏が表明したことで、可能性としてこれまでレアな選択肢とみられていた9月FOMCでの25ベーシス利上げの思惑が一人歩きを始めた。足もとでは9月利上げの可能性が据え置きよりも高いとの見方が強まったが、これは勝手解釈に踊らされているという意味合いも強い。だが、手の内を見せずにマーケットが勝手に引き締めに身構えること、これがウォーシュ氏の真に意図するところかもしれない。次の焦点は今週末9月4日の日本時間夜に開示される8月の米雇用統計ということになるが、9月と12月のFOMCでどちらも利上げに動く可能性は極めて低いはずで、冷静に考えれば、仮に9月に政策金利を引き上げても年内1回止まりということに違いはない。
米長期金利の上昇はドル買い・円売りを加速させ、足もとで再び1ドル=160円台まで円安が進んだ。2026年はここまで27兆円強の円買い介入が行われ、24年の円買い介入総額であった15兆円を大きく上回ったことが報じられている。日米協調介入もトレンドを変えるに至らず、こうなると日銀の利上げラッシュを連想させかねない。株式市場への影響はどうか。ある程度は織り込みが進んでいるにせよ、やはり新発10年債利回りが3%を超えてくると、半導体周辺株は持たざるリスクよりも持ち続けるリスクが意識されやすくなる。ヒットアンドアウェイでポジションは軽くしておくのが妥当である。
もっとも、日替わり的な要素はあるもののテーマ買いの動きは健在で、言い換えれば今の東京市場はモメンタム相場が何らかのテーマで起動している。目先はソフトウェア関連株が逆襲のタームに入っている。10月上場が観測されている米アンソロピックの関連で投資マネーが誘導されているが、その土壌で狂い咲きのごとく大輪の花を開花させているのが、 自動運転技術周辺のソリューション銘柄である。まだ上場後1カ月あまりのニューフェイスで、自動運転ソフト開発のティアフォー<593A>が大人気となり、これがアンソロピック・エフェクトによるソフト関連株への投資資金還流と相まって、その他の自動運転関連の銘柄群に物色人気が燃え広がった。トヨタ自動車<7203>が、個人向け乗用車で28年から自動運転システムを搭載する方針を明らかにしたことが、関連株に対する物色人気を助長した。運転手がほぼ操作なしで走行する「レベル2++」の技術を内製化するという。トヨタがティアフォーの株主であるとともに、次世代モビリティで協業体制にあることが、ホットマネーの食指を動かした。このほか、アイサンテクノロジー<4667>、ヴィッツ<4440>、ダイナミックマッププラットフォーム<336A>、フィーチャ<4052>など自動運転関連のソフト関連がストップ高のオンパレードとなっている。
相対的に出遅れている自動運転分野のソフトウェア関連株で上値余地が大きそうなものをチェックしておきたい。急騰習性は折り紙付きのFIG<4392>は、前週25日から日証金で貸株注意喚起対象となっているが、どこかでリバウンドに火が付きそうだ。また、強力な上場子会社エクスモーション<4394>を有するソルクシーズ<4284>や、フィジカルAIの急先鋒でロボティクスだけでなく自動運転でも活躍が期待されるCIJ<4826>、車載組み込みソフトやコネクテッドカーの中枢システムに関わるニーズウェル<3992>などは外せない存在。加えて、自動運転車の高性能化に伴うUXデザインで実力を発揮するTDCソフト<4687>は、1000円トビ台のもみ合い離脱に期待。そして、トヨタと密接な関係性を有する東海ソフト<4430>も足もとで本格動意の気配を漂わせている。
あすのスケジュールでは、4~6月期の法人企業統計調査、8月の消費動向調査、8月の新車販売台数(自販連)、8月の軽自動車販売台数(全軽自協)が開示される。海外では8月のレーティングドッグ中国製造業PMI、7月のユーロ圏失業率、8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値のほか、8月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、7月の米建設支出、7月の米雇用動態調査(JOLTS)など。(銀)