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義務化目前で企業奔走、新法施行で色めき立つ「カスハラ対策」関連株 <株探トップ特集>

特集
2026年9月17日 19時30分

―対応不十分なら指導・勧告の対象に、いまだ多くの企業が対策未着手―

顧客による理不尽な要求や著しい迷惑行為である「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の対策が企業に義務づけられる10月1日が目前に迫ってきた。これは昨年6月に労働施策総合推進法が改正されたことに伴うもので、事業主は方針を明確化し、適切に対応するために必要な体制を整備しなくてはならない。対応が不十分な場合には都道府県労働局による助言・指導・勧告の対象となることから各社は神経を使うことになりそうで、関連サービスのニーズが高まりそうだ。

●対象は業種・業態を問わず

カスハラにおける「顧客」とは、一般消費者だけでなく取引の相手先なども含まれる。対策は一般消費者に対して商品・サービスを提供する企業(BtoC企業)及び法人や事業者を相手に取引を行う企業(BtoB企業)を含め業種・業態を問わず、すべての事業主が取り組むべきもの。カスハラ対応を怠った結果、従業員の心身に被害が生じた場合には損害賠償請求などを受ける可能性があるほか、怪我や精神障害を負った場合は労災保険の対象となり、労務対応や労働力確保への影響など多大な追加的コストを生じさせ得る重大な経営上の課題となる。

ディップ <2379> [東証P]が8月18日に公表した「カスタマーハラスメントに関する実態調査」(過去1年間で長期・スポットを含むアルバイト経験者856人が対象)によると、アルバイトの8割以上が顧客からの理不尽な対応を経験。カスハラ対応ルールが十分に機能している職場は半数割れで、カスハラが職場を辞める理由になるとの回答が8割以上になったという。

また、トビラシステムズ <4441> [東証S]が7月31日に公表した「企業におけるカスハラ対策への意識と取り組み状況」(対象は総務・労務・法務・カスタマーサポート・情報システムなどに従事し、会社のシステム導入の決定や選定、情報収集などに関わる全国の25~60歳の男女で、有効回答数は960)では、企業担当者の8割が対策義務化を認知しているものの、4割の企業が対策に未着手であることが明らかになった。

パワハラやセクハラと同様にカスハラが社会的な問題として重要視されるなか、社会全体で抑止するためには企業や組織の積極的な取り組みが欠かせない。企業は従業員を守る観点から各種対策が求められ、対応サービスを提供する企業のビジネス機会が広がりそうだ。

●サービス提供企業に商機

ネクストジェン <3842> [東証S]とモビルス <4370> [東証G]は、クラウド型生成AIソリューションとオンプレミス(自社のなかでサーバーやソフトウェアなどの情報システムを保有し、自社設備内で運用すること)環境にある構内交換機(PBX)との相互接続を目的に業務提携している。ネクスジェンの音声キャプチャリング・システム「LA-6000」と、モビルスの 生成AIを活用したオペレーターダッシュボード「MooA CommNavi(ムーア コミュナビ)」が連携することで、管理者とオペレーター双方の勤務地を問わずリアルタイムでオペレーターを支援することが可能になり、オンプレミス環境におけるカスハラ対策義務化へ迅速に対応できるという。

プラスアルファ・コンサルティング <4071> [東証P]は7月、生成AIによってペルソナ(架空の人物像)を再現し、実践的な応対練習を可能にする「AIトークトレ」のサービス名称を「AIプラストーク」に変更し、対話トレーニングから面談支援までを担うプラットフォームに進化したと発表。例えば、AIを活用してクレーム客や理不尽な要求をする顧客をリアルに再現し、安全な環境での音声対話型ロールプレイングが可能になる。また、対面接客におけるカスハラなどのリスクをリアルタイムで検知し、従業員の安全確保と実態把握を支援する「AIカスハラガード」なども提供している。

セキュア <4264> [東証G]は、入退室管理システムや監視カメラシステムに、AI技術を掛け合わせた付加価値の高いセキュリティーソリューションを展開。8月には顔認証関連ソリューションの累計導入件数が1万3000件を突破したことを明らかにしており、万引き防止やカスハラ対策、学生寮や介護施設などにおける入居者の安全管理など、安全向上を求められる場所での活用が広がっているという。

HEROZ <4382> [東証S]グループのティファナ・ドットコムは、企業の課題を解決するAIソリューション「AIさくらさん」を展開している。「カスハラ対策さくらさん」は、電話の一次対応、通話の録音・文字起こし・要点整理を行い、通話中の暴言・脅し・差別的・性的な発言などを検知した場合は管理者や対応担当者へ通知。従業員が理不尽なクレームや暴言に直接さらされるのを防ぎ、精神的負担を軽減することが可能になる。

サイエンスアーツ <4412> [東証G]のライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」には、カスハラ対策機能「セーフティーサポート」が備わっている。バディコムや周辺機器のボタンを押すと、管理者にポップアップと合成音声で緊急通知が届き、位置情報を確認しながらすぐに駆けつけることで事態の重大化を防止。スーパーマーケットチェーンのサミット(東京都杉並区)での実証実験を皮切りに、小売・航空・鉄道・警備・医療・介護業界など接客業務の多い業界への導入を順次進める構えだ。

ビーウィズ <9216> [東証P]は、クラウドPBX・コンタクトセンターシステム「Omnia LINK(オムニアリンク)」のFMC(固定・移動通信の融合)サービスとして、スマートフォンをオフィス電話として活用できる「Omnia LINK Mobile(オムニアリンクモバイル)」を提供。通話内容はモバイル環境であってもすべて自動で録音され、データは管理画面から一括管理・再生が可能で、電話応対の振り返りや新人教育、トラブル発生時の事実確認、カスハラを含む電話応対時の記録として活用できる。

このほかの関連銘柄としては、AI音声認識技術を使ったソリューションを手掛けるアドバンスト・メディア <3773> [東証G]、クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」を運営するセーフィー <4375> [東証G]、カスハラ対策サービスを提供しているベルシステム24ホールディングス <6183> [東証P]、カスハラ基礎研修を行うアドバンテッジリスクマネジメント <8769> [東証S]、あらゆるコミュニケーションをクラウドで一元管理するAIコミュニケーション統合プラットフォーム「カイクラ」を展開するシンカ <149A> [東証G]、AI音声認識・自然言語解析処理システムで強みを持つHmcomm <265A> [東証G]などが挙げられる。

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