巨額マネーが群がる最強テーマから大選抜、「秋の特急株」5銘柄精選 <株探トップ特集>
―サナエノミクス本格稼働で動き出す、国策の追い風に乗るスーパー穴株をセレクト―
7日の東京株式市場では朝方は買い優勢となる場面もあったが、その後は利益確定売りが優勢となった。もっとも日経平均株価は直近5営業日で5200円ほど水準を切り上げていたこともあり、ここでの上昇一服は必要不可欠な“息継ぎ”といってもよい。7万円大台に乗せたことで、6月25日につけた史上最高値7万2366円のクリアも否応なく視界に入ってくる場面ではあったが、その前にまずは7万円大台固めというプロセスが必要となる。ここは押し目を丁寧に拾っていくスタンスが望まれる。
●10月は海外投資家が圧倒的に買い越す月
日経平均は実質10月相場入りとなった9月29日こそ軟調だったが、その後は買いの勢いが強い。10月は海外マネーが一斉に回帰してくるという強力なアノマリーがある。過去10年では9回買い越し、つまり9勝1敗である。とりわけ昨年10月は3兆4400億円という巨額の買い越しとなり市場筋の度肝を抜いた。前週からその外国人アノマリーを感じさせるようなオープニングとなっているが、投資家のスタンスとしては相場が調整している時に買いを入れるのが有効である。今月下旬から11月中旬にかけて企業の決算発表が本格化するが、企業業績に陰りがみられないことも物色意欲を後押しする背景となる。
決算発表ウィークに突入すれば、どうしても短期筋による決算プレーが本流を形成することになるが、それまでの買いの拠りどころとなり得るのは、高市政権下での国策発動を底流とする成長テーマにほかならない。AI・半導体関連株への一極集中買いが沈静化の傾向をたどるなかでの日経平均7万円台乗せは、テーマ買い復活の流れを示唆するものだ。ここは広角打法で有力株にアプローチしたい。
●国策に売り無しのテーマ買いが勝利のカギ
ここから10~15年にわたって官民合計で巨額の投資が見込まれる有力分野に照準を合わせておくのが得策だ。まず、原子力はAIインフラと切り離すことができない電力需要の確保とエネルギー安全保障の観点から国策面でのフォローが怠れない。高市政権ではフュージョンエネルギーに関して2040年度までに3兆1000億円を投入する構えにある。また、対米投資枠も含めた日米協調体制で、将来的に数十兆円規模の市場形成が見込まれるとの見解も一部で報じられている。
そして、成長投資の一丁目一番地といえばやはり先端半導体ということになる。AI・半導体分野全体で40年度まで実に101兆6000億円の投資が想定されている。その内訳はAIロボットを中心とする フィジカルAIに10兆5000億円、中核を担うAI用半導体に68兆円、領域特化型AI(バーティカルAI)に23兆1000億円というものだ。金額ベースでいえば、重点投資項目のなかでも一頭地を抜く力の入れようである。そして、AIデータセンター は生成AIの重要インフラであり、その意味では先端半導体と同じ範疇にある。インフラ基盤を鯛焼きに例えれば、餡子の部分が先端半導体で、それを包み込む皮の部分がAIサーバーや通信設備(=AIデータセンター)ということになる。
●AI分野から派生する有力テーマが相場牽引へ
更に、次世代成長産業でにわかに注目度が高まってきているのが自動運転分野だ。株式市場で花形テーマとなっているフィジカルAIはロボティクスだけでなく自動運転も該当するが、社会実装という点では明らかに後者の方が我々の日常の風景に組み込まれるスピードは早くなる。レベル4以上の事故における責任の所在やガイドライン策定など法的なハードルも残されているが、いったん実装の幕が上がれば、その社会への貢献性から自動運転は加速度的に普及する可能性を秘めている。
そして、忘れてはならないのがAI脅威に対する心構えである。企業を標的としたサイバー攻撃がここ連日のように報じられているが、これはAIの悪用という影の側面が色濃く表れている。深刻さの度合いは以前とは比べ物にならず、もちろん放置することはあり得ない。サイバー空間におけるセキュリティーの確保は、AI時代の安全保障の根幹を担うコンセプトといっても過言ではなく、投資テーマとして見た場合、株式市場でもホットマネーが流れ込む新たな入り江として注目必至となる。
以上、国策を背景とする注目度の高い投資テーマを挙げてきたが、今回のトップ特集ではこうしたテーマをもとに、業績好調かつ株価も“特急モード”で上げ足を強めそうな有望株を各項目1銘柄ずつリストアップした。
●有力テーマ別“特急5銘柄”はこれだ!
【原子力関連】
ビーエイブルは廃炉や再稼働工事で高実績評価へ
ビーエイブル <604A> [東証S]は今年7月29日に東証スタンダード市場に新規上場した直近IPO銘柄だが、既に原子力発電所の建設やメンテナンス、廃炉工事などで実力を存分に発揮している。大手電力各社から受注実績を重ねており、現在は東電・福島第一原発の廃炉作業を主力とするが、他の原発再稼働に向けた工事や稼働後の定期的な保守・工事も行っている。また、再生可能エネルギー分野にも積極展開し、太陽光やバイオマス発電所の建設・運営で優位性を発揮する。業績は売上高、利益ともに拡大基調が鮮明だ。26年7月期は2ケタ増収で営業5割増益という高変化をみせ、いずれも過去最高を更新したが、27年7月期は一段と売上高の伸びが加速、前期比20%増の118億4900万円と初の100億円大台ラインを大きく上回っての着地を見込んでいる。営業利益は前期比41%増の14億1800万円予想とこちらも大幅ピーク利益更新が濃厚だ。
株価は9月16日に1712円で上場後の高値を形成した後は水準を切り下げていたが、目先急動意をみせ、再び新値街道に突入してきた。テーマ性豊富なニューフェース銘柄で上値余地は十分。高値奪回はあくまで通過点で中勢2000円台での活躍が有力。
【先端半導体材料関連】
関電化はHBMやNANDフラッシュ向けで商機
関東電化工業 <4047> [東証P]はフッ素系特殊ガスのグローバルニッチトップであり、半導体向けなどで高水準の需要を取り込んでいる。独自のフッ素技術を駆使した高付加価値製品開発において抜群の強みを発揮。先端AI半導体の HBMや、3次元NAND型フラッシュメモリーの製造で求められる超微細加工には、高精度な形状をコントロールできるエッチングガスが必要だが、同社が開発した「KSG―14」はその条件を満たす特殊ガスとして期待されている。キオクシアホールディングス <285A> [東証P]向けなどを中心に今後急速に需要が膨らむ可能性がある。業績も驚異的な伸びが見込まれている。27年3月期売上高はNANDフラッシュ向けの販価改定効果を反映し、前期比45%増の950億円予想と4期ぶりに過去最高を大幅更新する見通し。営業利益は同2.1倍の113億円を見込む。ところが、第1四半期の進捗率からこれでもかなり保守的との見方が強い。売上高は1000億円台乗せが視野に入り、営業利益も120億~130億円に上振れする可能性がある。
株価は6月4日に4405円の上場来高値をつけたが、その後は大幅な調整をいれたものの、9月中旬を境に戻り足が鮮明だ。年内にも8月5日の戻り高値3080円を払拭し更なる高みを目指す展開が予想され、ここは押し目を分散して買い溜めておきたい。
【AIデータセンター関連】
エスペックはAIDC関連の光電融合分野に期待
エスペック <6859> [東証P]は環境試験装置のグローバルニッチトップとしてのポジションを確保している。業績も高成長トレンドにあり、27年3月期は売上高が前期比4%増の730億円予想で5期連続の過去最高更新が見込まれ、営業利益は同13%増の80億円と、こちらは2期ぶりに過去最高を更新する見通しとなっている。環境試験は半導体向けで高水準のニーズがあり、具体的にはAIデータセンター関連案件などが収益に大きく貢献している。データセンターでは膨大な電力を消費するため、その確保はもちろん、電力による発熱問題などもクリアすべき重要課題として残されている。その際に注目されるのが、データ通信の高速化と省電力を実現する「光電融合」技術で、同社はこの光電融合関連の開発試験需要に対応したビジネスチャンスを捉え要注目の存在だ。光電融合デバイスの開発・製造工程でのバーンインテストや、特性評価装置の需要を中期的に取り込んでいく可能性が高い。
株価は昨年5月上中旬を境に長期上昇波動が鮮明。今年6月19日には4790円の上場来高値をつけたが、その後は利食い圧力に抗せず調整を入れていた。しかし、ここ最近はボックス圏上限で下値抵抗力を発揮、今月に入って75日移動平均線を上回り、再び上値慕いの動きに。早期に最高値奪回の可能性も十分といえる。
【自動運転関連】
JIGSAWは独自IoTソリューションが光る
JIG-SAW <3914> [東証G]は企業向けIoTソリューションを手掛け、独自開発のロボティック自動運用プラットフォーム(監視ツール)「puzzle」を基盤技術に、そこから派生させた各種サービスを提供している。道路舗装機械大手の酒井重工業 <6358> [東証P]とは10年以上にわたってロードローラ向け自律走行・操縦システム(自動運転)の共同研究を推進してきたが、今年8月にはこれに飛島ホールディングス <256A> [東証P]の中核を担う飛島建設も加わり展開力が増幅された。このほか、今年はpuzzleによる自動検知・自動指示を発展させた完全自律型の次世代システム運用サービスもリリースしている。26年12月期の業績予想に関して会社側は未開示ながら、上期時点の進捗率をもとに営業利益段階で前期比3~5割増となる7億~8億円台前半との見方が市場コンセンサスだ。大幅増益かつピーク利益更新が有力視され、改めて評価されそうだ。
株価は9月24日に戻り高値2763円を上ヒゲでつけたが、その後は調整を入れている。しかし、直近は上向きの25日移動平均線との上方カイ離修正を経て再浮上の機をうかがう場面に。年内に5月11日につけた年初来高値3280円の奪回も射程圏といえる。
F-ブレインは横展開ウイルス対策で実力発揮へ
フーバーブレイン <3927> [東証S]は中堅・中小企業を対象としたサイバーセキュリティー対策支援と、働き方改革ツール及び業務分析ソリューションの提供が収益の二本柱となっている。サイバーセキュリティーでは、中小企業を中心にラテラルムーブメント(エンドポイントへのウイルス侵入後に横展開して侵害を広げるパターン)が特に警戒されており、その対策ニーズに同社は独自の次世代型システムで応える。また、同社の働き方分析ソリューションは労務管理や資産管理、生産性分析などの各種ソフトを一つに集約したソフトとして提供できるのがセールスポイントで、需要獲得が進んでいる。業績は飛躍的な成長期にあり、27年3月期は売上高が前期比40%増の79億1500万円、営業利益は同2.2倍の4億4900万円と急拡大を見込む。いずれも連続で過去最高更新となる。今年7月に「日本発のAIガーディアン」を目指したAIセキュリティーの専門サイトを立ち上げたことを発表している。
株価は直近急動意し4ケタ台に突入。もっとも、上場時の15年12月に5220円の高値を形成したほか、最近でも20年5月に短期間で2340円の高値に駆け上がるなど小型株ならではの瞬発力は魅力で、押し目買いに徹して報われる公算が大きい。
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