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明日の株式相場に向けて=次なるモメンタム・モンスターは?

市況
2026年10月13日 17時30分

3連休明けとなった13日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1253円安の6万7777円と大幅続落。前日の米半導体株安と中東有事を背景とした原油価格上昇が重荷となり、一時2000円近い下落で一気に6万7000円台割れ目前まで深押しする場面もみられた。後場は前週末同様に戻り歩調となったが、結局1200円あまりの下げで着地した。もっとも、これはAI・半導体関連株への売りが集中したことによるもので、TOPIXは前週末に続き、小高く引けた。プライム市場の売買代金上位10傑では、13.3%安と急落したキオクシアホールディングス<285A>を筆頭に、10銘柄中9銘柄が下落。これが日経平均にそのまま投影された形だが、プライム市場全体を俯瞰すると驚くべきことに値上がり銘柄数が1100を超え、全体の73%が高いという状況であった。この逆二極化現象は今の地合いに漬かっているディープな投資家にとってはきついところ。これまでAI・半導体関連株に資金を投じていた投資家が、銀行セクターに全額シフトチェンジなどというわけにもいかず、ボラティリティの高いAI周辺でリカバリーしようとするのは当然であるが、現状の厳しさを映し出すのがキオクシアの株価動向である。

キオクシアの信用買い残は前週末の金額ベースで8800億円程度に膨張した状態にある。株価は6月下旬の最高値から60%下落した水準にあり、今はいわゆる「半値八掛け二割引き」の最後の「二割引き」の部分だけ取り戻したが、依然として大底圏には違いない。しかし、買い残が何とも重くのしかかる。「TOPIX構成比率の見直しに伴う2兆円規模の購買需要を当て込んで買い下がる投資家も多いが、実際は大株主である東芝の実需売りの受け皿となってしまう部分が大きい。その東芝はキオクシアを売った資金でデータセンター向けHDDの大増産を計画している。キオクシアにとっては株式需給とファンダメンタルズの双方でアゲインストとなっている」(ネット証券マーケットアナリスト)と指摘する。

一方、個別株は相変わらずサイバーセキュリティー関連株が爆発的に買われている。ファンダメンタルズからのアプローチでは理解を超える上昇パフォーマンスといえるが、こういうひとつのテーマで括られる銘柄群が怒涛の上げ潮に乗るというのは、過去に何度も繰り返されてきた光景である。不合理が加速するケースは、相場が時折みせる特性の最たるもの、その背景にあるのはやはり株式需給にほかならない。

AI・半導体株が主力大型中心に底上げされるような相場の方向性を司る大潮流ではなくても、今回のサイバー対策関連の沸騰人気のように、中小型株をターゲットとした亜流の資金であるからこそ、その一極集中ぶりは凄まじいものがある。過去のケースでは、昨年秋口にかけての「下水道インフラ関連」の暴騰劇は記憶に新しく、例えば大盛工業<1844>は初動時からピーク水準で株価を約7倍化させた。サイバー保全分野もしかり、社会現象もしくは社会における喫緊の課題として認知されると、株式市場でも大波が発生しやすい。そして、その大部分が「売り方が作りだす相場」の色彩が強くなる。ネット証券などを調達先に外資系証券手口で空売りを仕掛けているのは、規模の小さいヘッジファンドが主流とみられるが、広義の個人投資家資金ともいえる。しかし、冷静な相場観に基づいたつもりのショート戦略でも、買い残の厚い銘柄に貸株調達売りなどで全体重をかけるのは、ひと回り大きな資金の仕掛けによって踏み上げ相場の肥やしとなってしまうケースもまた少なくない。

もっと踏み込んで言えば、これは潮流ではなく同じ場所で上下動を繰り返す波に過ぎない。したがって、いずれは「往って来い」に近いような反落局面が訪れる可能性が高くても、その前に買い戻すしかないというのがショートスクイーズの実態だ。売り方が白旗を上げたところから買い手不在に陥り、相場は崩れ始める。これらのタイミングが完全に把握できるのであれば“往復”で巨額の利益を獲得できるが、それは神の領域というよりない。

ここまでくると短時日で2倍以上に暴騰しているサイバー対策関連は観賞用としておくか、割り切りのデイトレードに特化して参戦するしかなさそうだ。ただ、同関連株は、AI全盛時代に突入する中で新たなテーマ性を宿していることは確かのようだ。物色対象が変わっても、好まざる環境ながらそのテーマ性自体が色褪せることはないだろう。今は“丸ごとサイバーセキュリティー”に位置付けられるような銘柄から、システム全体の構築段階を含めて、ワンストップでセキュリティーにも精通している銘柄に物色の裾野が広がってきた。次なるモメンタム・モンスターを探す準備もしておきたい。そうしたなか、現在はホットマネーの投資対象からは外れていても地道に水準を切り上げている銘柄が存在する。これまでにも取り上げてきたTDCソフト<4687>やCIJ<4826>、更にデジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>、クロスキャット<2307>、アライドテレシスホールディングス<6835>、アセンテック<3565>などをマークしておきたい。

あすのスケジュールでは、9月のマネーストックが朝方取引開始前に日銀から開示されるほか、前場取引時間中に5年物国債の入札が行われる。後場取引終盤には9月の投信概況を資産運用業協会が公表する。海外では9月の中国消費者物価指数(CPI)、9月の中国卸売物価指数(PPI)、9月の中国貿易統計が注目されるほか、シンガポール金融通貨庁が金融政策を公表する。また、この日は7~9月期のシンガポール国内総生産(GDP)も発表される。米国では9月の消費者物価指数(CPI)にマーケットの関心が高く、地区連銀経済報告(ベージュブック)にも耳目が集まる。ボウマンFRB副議長が講演を予定しており、その内容も注目される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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