【杉村富生の短期相場観測】 ─暴落日の“赤札”(逆行高)銘柄を狙え!
「暴落日の“赤札”(逆行高)銘柄を狙え!」
●株価指標はセリング・クライマックス!
古来、「夜明け前が一番暗い」という。現状は日経平均株価を中心に、セリング・クライマックスの途上にある。AI(人工知能)、 半導体、 データセンター関連セクターの下げがきつい。信用期日の接近もあって、投げ売り商状だ。スペースX<SPCX>、メタ・プラットフォームズ<META>の好決算の波及は限定的になっている。
ただし、東京市場の物色意欲は旺盛だ。特に、ショーケース <3909> [東証S]、ブロードバンドセキュリティ <4398> [東証S]、サイバーセキュリティクラウド <4493> [東証G]、サイバートラスト <4498> [東証G]、FFRIセキュリティ <3692> [東証G]などサイバーセキュリティ関連分野が好人気である(10月22日時点)。
サイバー攻撃はとどまることを知らない。悪質ハッカーのターゲットは日本だ。日本企業、役所が狙われている。防御が不十分なうえ、日本モノ(情報)は金になる。さらに、ウェブサイトで広く使われているプログラミング言語PHPに深刻な脆弱性が見つかった。全世界の政府関連機関、重要インフラ事業者を巻き込み、大騒動になっている。
世相にカネを乗せるのはテーマ選択の基本である。日々のニュースが株価を刺激し、支援する。サイバー攻撃(情報漏洩)のダメージは甚大だ。「やられたッ」と思った時はもう遅い。FFRIセキュリティは中央官庁向けに実績を有する。サイバートラストは、ソフトバンク <9434> [東証P]が発行済み株式数の56.1%を保有している。
当面、インデックスはAI、半導体、データセンター関連セクターの動きに影響を受け、上値の重い展開となろう。NASDAQ市場次第の面がある。アメリカ市場は11月3日の米中間選挙、11月のヘッジファンドの決算を控え、様子見姿勢が続いている。筆者は「こんな商状はいつものこと。季節的な需給悪は早晩、ピークを越える」と考えているが……。
●サイバーセキュリティ関連株が好人気!
さて、日本市場は基本的に、海外投資家主導のマーケットである。委託売買代金シェアの6~7割を海外投資家が占めている。残念だが、国際マネーの主戦場はアメリカだ。日本はサブマーケットにすぎない。いや、だからといって、卑屈になる必要はないが……。これが現実である。この点を理解しておかないと、相場解析の判断を誤る。
ちなみに、東証プライム市場の時価総額は1322兆円、資産運用業協会(日本投資顧問業協会と投資信託協会が統合)の運用資産総額は約1100兆円、7人のサムライ(プライム市場の上位7社)の時価総額の総計は212兆円である。これに対し、アメリカ市場の時価総額は約1京2800兆円、ミューチュアル・ファンド(オープンエンド型投資信託)の資産は約5000兆円、マグニフィセント・セブンの時価総額の総計は3770兆円となっている。ケタが違う。
「だからどうした?」と言われても困るが、日本の個人投資家は海外情勢の影響を受けにくい銘柄(この局面では暴落日の“赤札”=逆行高)を狙うのが得策だろう。具体的には前述のサイバーセキュリティ関連株を攻める戦術が有効と思う。すなわち、元気な銘柄である。もちろん、商いを伴っている(流動性が高い)のが絶対条件になる。
プライム市場の売買代金ランキング(10月22日時点)をみると、ほぼ全滅(値下がり)だが、ソニーグループ <6758> [東証P]、リクルートホールディングス <6098> [東証P]、NEC <6701> [東証P]、ベイカレント <6532> [東証P]、富士通 <6702> [東証P]、三菱商事 <8058> [東証P]の底堅さが際立っている。
グロース市場では売買代金ランキングの上位にサイバーセキュリティ関連株が軒並み名を連ねている。ベストテンのうち、7銘柄がサイバーセキュリティ関連セクターだ。サイバー攻撃の激化はグロース市場の人気にも火をつけた、といえそうである。
2026年10月22日 記
株探ニュース