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スカラ Research Memo(5):2027年6月期は既存事業の成長にM&A効果が加わり、2ケタ増収増益へ

特集
2026年9月15日 13時35分

■今後の見通し

1. 2027年6月期の業績見通し

2027年6月期の連結業績(IFRS基準)は、売上収益で前期比18.4%増の10,100百万円、営業利益で同62.6%増の850百万円、税引前利益で同61.0%増の790百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益で同49.2%増の540百万円と2ケタ増収増益を見込んでいる。1年前に発表した中期経営計画の目標値を据え置いた格好だが、スカラ<4845>で推進してきた成長戦略が順調に進んでいることを示している。

既存事業の成長に加えて新たに子会社化したHATO及びテラの業績が上乗せ要因となる(HATOの業績は予想に織り込んでいない)。また、前期にDX事業で導入したAI(Claude)を全社横断で活用してオペレーションの高度化・効率化を図り、収益力の強化につなげていく考えだ。

(1)HATOとのシナジー

HATOはトレーディングカードのリユースショップ7店舗(大阪、東京、福岡、兵庫、広島、長野)とオンラインショップを運営する企業で、スカラプレイスが7月1日付で全株式を185百万円で取得した。国内の中古トレーディングカードの市場規模は3千億円を超える規模となっており、なかでも「ポケモンカードゲーム」「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム」「デュエル・マスターズ」などが市場をけん引している。ここ1~2年は為替が円安で推移していることもあって店舗に買い付けにくる外国人客が急増しており、販売価格上昇の一因となっている。スカラプレイスではこれまでリアル店舗の出店を成長戦略の1つとして検討してきたが、今回、HATOをグループ化したことでTCG事業の成長加速が見込める状況となった。

グループ化による主なシナジーとして、以下の2点が挙げられる。

a)IT技術支援によるHATOの生産性向上

スカラプレイスのトレカデータベースをHATOに提供することで、HATOにおけるリアル店舗やオンラインショップにおける商品管理業務の効率化が進み、収益性の飛躍的改善が見込まれる。また、スカラプレイスのシステム開発力を活用して独自のトレカPOSシステムの開発を進めることができる。

b)在庫連携と資本力を活用したリアル店舗の出店加速

スカラプレイスの圧倒的な在庫量と集約力を活用することで、新規出店の加速と圧倒的な品揃えによる垂直立ち上げが可能となる。

HATO の業績は2025年6月期で売上高625百万円、営業利益2百万円だったが、2027年6月期は好調な市場環境を背景に、売上高が10億円近くまで伸びる可能性がある。営業利益率についてもグループシナジーによって改善が見込まれており、同社では早期に5%前後の水準まで引き上げていくことを目指している。

(2)テラとのシナジー

テラは携帯販売代理店向けのクラウドPOSシステム「TelephoneMaster」を主力サービスとするシステムソリューション事業と携帯ショップ運営事業等を展開する企業で、今回、システムソリューション事業以外の事業を会社分割で新設する子会社へ承継し、ソリューション事業のみを840百万円で取得した。出資比率は80%で、残り20%についてもテラの業績等に応じて譲渡価額が変動するオプション契約を別途契約しており、将来的には完全子会社化を目指している。

「TelephoneMaster」等の導入店舗数は約2,500店舗で、7千店舗弱あるキャリアショップのうち3割強程度に導入されるなど、POSシステムで大手の一角を占めている。テラが有する店舗オペレーションに関する知見や顧客基盤と、同社グループが有する生成AI、AI SaaS、AI BPO、FAQ、検索技術等を融合することで、店舗運営における接客支援、ナレッジ共有、バックオフィス業務及び店舗マネジメントの高度化を推進するとともに、AIオペレーションプラットフォームの構築を目指していく。さらに、構築したプラットフォームを金融・保険・小売・自治体等、高度な接客・契約業務を有する様々な業界へ横展開することで、新たな市場の創出とストック型収益の拡大を図っていくほか、双方の顧客に対してそれぞれのサービス提供を提案することで、DX事業の成長につなげていく考えだ。

なお、テラの2025年12月期の売上高は959百万円、営業利益は180百万円だが、このうちソリューション事業の比率は9割程度を占めると見られる(うち、ストック型収益が6割)。2026年9月から連結対象となるため、2027年6月期は10ヶ月分が連結業績に寄与することになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

提供:フィスコ

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