【決算総括記者座談会③】AI大化け銘柄のたった一つの共通項
─これだけある決算後の急騰銘柄、その選別法とは?─
DXならぬAX企業に注目、地銀再編にも可能性が
──個人投資家の関心が高い中小型株に話題を切り替えたいと思います。碧さん、いかがでしょうか。
(碧)
やはり今の相場は、半導体を中心にしっかりとした決算を出した企業が買われていくという流れがあります。半導体関連企業の業績の強さに市場参加者の関心が集まりましたが、利益拡大基調への転換の可能性がある中小型株は、やはり目を離すことができないと思います。例えば金融機関向けの生体認証や画像認証サービスを手掛けるELEMENTS <5246> です。前期(2025年11月期)は赤字決算だったのですが、直近四半期(25年12月-26年2月期)は営業損益、経常損益ともに黒字額が過去最高に迫る水準となり、決算発表後に株価が急騰しています。
防犯カメラのセーフィー <4375> は、25年10-12月期決算で営業損益が初めて黒字転換し、26年1-3月期は黒字額が大幅に拡大しています。決算説明会資料を読むと、DX(デジタルトランスフォーメーション)ならぬAX(AIトランスフォーメーション)という言葉が見当たります。日立製作所 <6501> もAI開発の米新興アンソロピックとの協業に関するプレスリリースで、AXという単語を使っていました。「SaaSの死」と言われる状況を経てソフトウエア産業の選別が進む中で、映像データとAIを掛け合わせた業務革新を顧客に提供し続ければ、企業規模のさらなる拡大が期待できます。
あとAI関連とともに、今回の決算シーズンで個人的に注目したのは地方銀行です。実は前々回に話した新春お年玉企画の中で、私は伊予銀行を傘下に持ついよぎんホールディングス <5830> を何番目かで挙げていたのですが、着目したのは金利の先高観とともに同行の運用力の高さだったのです。いよぎんHDはAI相場を見越してエヌビディア<NVDA>株の保有に動いたことで知られていますが、運用の巧拙も地銀を評価するうえで一つのポイントとなっています。
さらにこのセクターで大きなカタリストとなるかもしれないのは、地銀再編の動きです。東海地方では、あいち銀行を傘下に持つあいちフィナンシャルグループ <7389> と三重県地盤の三十三フィナンシャルグループ <7322> が27年4月の統合を発表したのに続いて、静岡銀行を傘下に持つしずおかフィナンシャルグループ <5831> と名古屋銀行 <8522> も28年4月の統合で基本合意しています。
愛知と三重、静岡に隠れる形で十六フィナンシャルグループ <7380> 傘下の十六銀行と大垣共立銀行 <8361> は岐阜県内で強力なライバル関係にありますが、地銀株に投資するありあけキャピタルは大垣共立の持ち株比率を高めています。少なくともこのエリアでは、地銀再編の大きなうねりが感じられます。全国の地銀が本格的な再編へと動き出せば、地域経済への影響はもちろん、経営合理化などによる株価への好影響も続きそうな予感がしています。
■地銀再編が取り沙汰される中小金融セクターにも注目 (※「株探」お気に入り銘柄頁より)

ようやく市場に発見された"技術のデパート企業"
──これまで数々の大化け銘柄を発掘してきた銀さんはいかがですか。
株探ニュース