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飯野海運 Research Memo(8):新中期経営計画を策定、成長投資加速

特集
2026年6月23日 13時08分

■飯野海運<9119>の成長戦略・サステナビリティ経営

1. 新中期経営計画「Transformation for a Sustainable Future」

同社は、2023年5月に策定した前中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」(2024年3月期?2026年3月期)で目標として掲げた財務・非財務KPIをおおむね達成した。財務KPIでは、3ヶ年累計の経常利益は目標356億円?376億円に対して実績561億円、ROEは目標9?10%に対して実績13.2%、ROICは目標4?5%に対して実績7.4%、D/Eレシオは最大1.5倍の目標に対して実績0.88倍となった。この結果、自己資本は2023年3月期末比約1.4倍に増加して財務健全性が向上した。また事業ポートフォリオ経営の推進では当初計画どおり1,000億円の投資を実行した。ただし、投資計画の内訳である成長・新規事業500億円(外航ガス船400億円、戦略投資100億円)、主力事業(ケミカル船、ドライバルク船)200億円、安定・成熟事業(油槽船、内航・近海ガス船、不動産)300億円に対して、実績(総額1,025億円)達成率は成長・新規事業の外航ガス船が86%、戦略投資が40%、主力事業が111%、安定・成熟事業が140%となった。船価高騰のほか、次世代燃料と対応船型の見極めの難しさから成長・新規事業投資及び戦略投資が目標を下回った。

こうした前中期経営計画の成果・課題もベースに、2050年を見据えた同社を取り巻く事業環境の構造変化(新燃料・次世代貨物や環境への対応、新たな成長と投資機会など)を整理し、メガトレンドからバックキャストして「2050年長期ビジョン」(ネットゼロ社会の基盤を支えるクリーンエネルギーインフラのバリューチェーンを担う企業)、及び「2035年中期ビジョン」(資本効率の最適化と盤石な収益基盤を両立し、顧客と共創しながら価値を創造する企業)を描いた。「2035年中期ビジョン」の達成に向けた変革期間(リバランス期間)として、2026年5月に、5ヶ年の新中期経営計画「Transformation for a Sustainable Future」(2027年3月期?2031年3月期)を策定した。そして次の2032年3月期?2036年3月期をリバランス期間後の収益を実現する飛躍の期間と位置付けている。

新中期経営計画のテーマに「資本効率と成長投資を両立する変革」を掲げ、数値目標を設定した。財務数値目標(成果目標と財務規律指標)として、事業コア利益(利払前税引後利益)を2026年3月期実績169億円から2031年3月期に225億円、2036年3月期に300億円へ、ROEを2026年3月期実績10.1%から2031年3月期に10%、2036年3月期に10%超を目指す。非財務数値目標として、海運業の温室効果ガス(GHG)削減率を2026年3月期実績の-15%から2031年3月期に-20%、エンゲージメントの向上(同社単体ベース)を2026年3月期実績の総合スコアB(66.8点)から2031年3月期に総合スコアA(70点以上)などを掲げた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)

《HN》

提供:フィスコ

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