今週の【早わかり株式市況】 今年最安値後は反発、米保護貿易の懸念後退と円高一服で買い戻される

市況
2018年3月10日 6時40分

今週の株式市場は、週初に日経平均株価は今年最安値を更新、その後は米国による保護貿易の懸念後退や為替の円高一服で買い戻され反発した。

週初の5日は米国の鉄鋼・アルミへの関税導入による貿易摩擦の激化懸念や為替の円高が嫌気され日経平均は4日続落し、今年の最安値を更新した。

翌6日は保護貿易への警戒が和らぎ米株市場が大幅高となったうえ、円高も一服したことを受け買い優勢となり、日経平均は5日ぶりに急反発した。7日は米国家経済会議のコーン委員長の辞任表明を受け、トランプ政権の保護貿易主義への懸念が強まり反落した。8日は米政権筋が鉄鋼・アルミへの関税導入に柔軟な姿勢を示したことで保護貿易懸念が和らぎ反発した。

メジャーSQの週末9日は北朝鮮リスクが後退したことで買いが先行し、日経平均の上げ幅は一時500円を超えた。その後は海外勢などの戻り売りに押されマイナス圏に落ち込む値動きの荒い展開となったものの、結局101円高で着地した。

日経平均株価は、前週比287円(1.36%)高の2万1469円と反発して取引を終えた。週間の値幅は947円と、前週の1413円から縮小した。

来週も米政権と為替の動向に揺れる展開が想定され、当面は日経平均2万1000円-2万2500円のレンジ相場が続きそうだ。

重要イベントとしては、国内では12日朝に発表される1-3月期法人企業景気予測調査や14日朝に発表される1月機械受注が注目される。海外では13日発表の米国2月消費者物価指数や14日発表の中国2月鉱工業生産指数、16日に発表される米国2月鉱工業生産指数に注視が必要だろう。

◆マーケット・トレンド(3月5日~9日)

【↓】   3月 5日(月)―― ザラバ・終値とも今年の安値更新、貿易摩擦激化を警戒

日経平均 21042.09( -139.55)  売買高15億1045万株 売買代金 2兆7617億円

【↑】   3月 6日(火)―― 5日ぶり急反発、米株高・円高一服で買い戻し

日経平均 21417.76( +375.67)  売買高12億8881万株 売買代金 2兆5175億円

【↓】   3月 7日(水)―― 反落、米保護貿易主義への懸念強まる

日経平均 21252.72( -165.04)  売買高14億6744万株 売買代金 2兆7361億円

【↑】   3月 8日(木)―― 反発、米国の保護主義懸念が和らぎ買い先行

日経平均 21368.07( +115.35)  売買高12億2576万株 売買代金 2兆5017億円

【↑】   3月 9日(金)―― 続伸、北朝鮮リスク後退で一時500円高超も急速に伸び悩む

日経平均 21469.20( +101.13)  売買高17億5048万株 売買代金 3兆5584億円

◆セクター・トレンド(3月5日~9日)

(1)ヤクルト <2267> など食品、セブン&アイ <3382> など小売りといった消費関連株が買われた

(2)エーザイ <4523> など医薬、大成建 <1801> など建設といった内需系全般が堅調

(3)輸出株はまちまち

島津 <7701> など精密、ソニー <6758> など電機は上昇も、トヨタ <7203> など自動車は下落

(4)金融株もまちまち

東京海上 <8766> など保険は高いも、三菱UFJ <8306> など銀行、大和 <8601> など証券は安い

(5)新日鉄住金 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄、郵船 <9101> など海運株は大幅続落

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