【杉村富生の短期相場観測】 ─ 夏以降の「総論慎重」の方針を撤回する!
「夏以降の『総論慎重』の方針を撤回する!」
●リスク要因の多くが株価に織り込まれた?
経験豊かな皆さんには「余計なお世話」と言われそうだが、株式投資において肝要なのは現状を正しく認識し、リスク・マネジメントを徹底すること、これに尽きる。さらに、銘柄を絞り込む(基本は集中投資)のが勝者の条件である。
これによって、ショック安(予期せぬ出来事)に巻き込まれなくて済むとともに、波乱に対応が可能だ。すなわち、“大損”が避けられる。
夏以降、筆者は10項目のリスク要因を指摘し、全般相場はボックスゾーンの動き(総論慎重)で、銘柄勝負(各論強気)と主張してきた。しかし、これらのリスク要因の多くが株価に織り込まれたか、顕在化のリスクが10%以下に低下した、と判断する。
外国人は10月第2週には現物、先物ともに買い越しに転じた。外部環境の好転を評価したものだろう。 為替は、輸出企業の想定為替レート(日銀短観)の1ドル=108円65銭に迫っている。この水準を超える円安になると、輸出企業の業績悪化に歯止めがかかるだろう。
こうした状況のほか、テクニカル面(日経平均株価は節目を突破)を考慮、筆者が唱えてきた「総論慎重」のキャッチフレーズを変更する。すなわち、「総論強気」である。日経平均の次のターゲットはN計算値の2万3525円になる。
この節目をクリアした場合、いよいよ昨年10月2日の高値2万4448円に挑戦だ。これは、年内もしくは新春に奪回できると思う。
●この局面での狙い目の銘柄は?
もちろん、「銘柄勝負」の方針は不変だ。長期・逆張りでは青山財産ネットワークス <8929> [東証2]、スマートバリュー <9417> に続き、エー・アンド・デイ <7745> 、GCA <2174> を紹介銘柄に追加した。ロングランに狙える。
短期・順張りはどうか。やはり、半導体関連セクターの周辺が面白い。具体的には、栄電子 <7567> [JQ]、浜井産業 <6131> [東証2]、東洋合成工業 <4970> [JQ]、など。
このほか、全固体電池の技術を有し、トヨタ自動車 <7203> が大株主の三櫻工業 <6584> 、切り口多彩なSEMITEC <6626> [JQ]、アドテック プラズマ テクノロジー <6668> [東証2]などの値動きが抜群だ。nms ホールディングス <2162> [JQ]は動兆しきりである。
物色テーマとしては引き続いて、シェアリングエコノミー、電線地中化を含めたバリアフリー、高齢化社会(多死、相続、事業継承)、5G、EV&HV、国土強靱化、量子コンピューター、不動産テック、フィジカルインターネットなどに注目できる。
2019年10月25日 記
株探ニュース