【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ コロナ禍に打ち勝つ銘柄にマネーは向かう!
「コロナ禍に打ち勝つ銘柄にマネーは向かう!」
●隣の芝生は青く見えるが、日本株も実は大健闘
もう日本株なんか買っていられない。米国ではアップルやアマゾン、マイクロソフト、テスラなどが次々と新値を更新。投資家はこれらの米国株を買いさえすればよい状況だというのに、日本の主力株はさっぱりだ。
最近、こんな不満を聞くことが多くなっている。確かに米国市場では前述した銘柄だけではなく、他にも上場来高値を更新中の銘柄が多数存在する。
それに比べると日本の主力株、たとえばトヨタ自動車 <7203> やNTT <9432> 、NTTドコモ <9437> 、武田薬品工業 <4502> 、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、キヤノン <7751> 、三菱商事 <8058> 、三井不動産 <8801> 、日立製作所 <6501> などの株価は正直弱々しい限りの動きだ。
これらに投資していると、前述した米国株の華々しい上昇ぶりが羨ましくなるのももっともではある。「隣の芝生は青く(良く)見える」というが、実際に青い(良い)からだ。
しかし、だ。ここで少し視線を東京市場の明るい方に転じてもらうと、ソフトバンクグループ <9984> を筆頭に、キーエンス <6861> 、中外製薬 <4519> 、任天堂 <7974> 、ダイキン工業 <6367> 、東京エレクトロン <8035> 、村田製作所 <6981> 、アドバンテスト <6857> 、エムスリー <2413> 、ダイフク <6383> などが新値を更新中だったり、新値に近い水準で推移していることがわかる。
つまり、米国株ほどの派手さはないが、日本株も大健闘しているのだ。それなのに「日本株はなかなか上がらず、儲からない」という声が多いのは、私に言わせると何かの勘違いとしか思えない。前述したように、通常は動きが重いはずの時価総額の大きな銘柄でさえ、新値水準にある銘柄が多数あるのだからだ。
●ターゲットは需要拡大の追い風が続く半導体関連など
それなのに、悲観的な見方になってしまうのは、新型コロナウイルスの感染拡大に神経質過ぎるからではないか。9日は感染者が東京で224人、全国で356人と多かったこともあり、10日の東京市場は失速してしまったが、同じ時期の米国での一日の感染者数は6万人超。
一体、何がどうなれば1日で6万人も感染するのか分からないが、そんな米国の株式市場でNYダウは上がりにくくなってはいるものの、NASDAQは上昇し続けているのだ。 こんな動きが意味するのは、コロナ禍を乗り切れるパワーを持つ企業の株は買われる――これになるため、国際性、戦略性、収益性、競争優位性に優れた銘柄への投資を心がけたい。
そこで、具体的には、まずは半導体用フォトレジストで世界首位級の東京応化工業 <4186> になる。半導体需要の拡大が続いている以上、株価は2進1退で上昇を続けるだろう。
同じく半導体関連株では、フジミインコーポレーテッド <5384> も魅力的だ。この会社は半導体の素材となるシリコンウエハの研磨材で世界首位なのだ。
半導体関連株をもう一つ。新光電気工業 <6967> だ。半導体用パッケージやリードフレームに強く、インテルとの関係が緊密だ。
いわゆる主力株にも目を向けておくと、村田製作所 <6981>がある。セラミックコンデンサー世界首位はやはり価値ありだ。
半導体や輸出とはほとんど関係ないものの、ミクシィ <2121> も上昇余力ありと見る。マザーズ市場の鯨銘柄だったが、先月1部に昇格した上に、意外な材料を秘めている。スマホゲーム「モンスターストライク」運営のほかに、競馬サイトを運営し、ネットでの競輪券発売も手掛けている。これらの分野は、新たな収益の柱に育ちつつあるだけに今後が楽しみだ。
最後に、前回も取り上げたソフトバンクグループ <9984>の追撃だ。
2020年7月10日 記
株探ニュース