今週の【早わかり株式市況】4週ぶり大幅反発、トランプ大統領の早期退院でリスク選好醸成
■今週の相場ポイント
1.日経平均は4週ぶりに大幅反発、上値指向強く押し目浅い展開
2.トランプ米大統領の早期退院で週を通じてリスク選好の流れが醸成
3.日米ともにトランプ・ツイッター投稿の内容に振り回される地合い
4.週後半に日経平均は再び上値指向を強め約8ヵ月ぶりの高値つける
5.売買代金は5営業日のうち2営業日で2兆円台を割り込むなど低調
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比589円(2.56%)高の2万3619円と4週ぶりに大幅上昇となった。
今週は週前半の2日間で日経平均が400円あまり上昇し、その後上昇一服場面でも下げ幅は浅く、週後半に改めて買い直す動きがみられた。米政治情勢の不透明感は買い手控え要因ながら、下値を売り込む動きも見られず総じて売り圧力の弱い週だったといえる。
週明け5日(月)はリスクオンの流れが意識されるなか日経平均が大きく買われる形となった。新型コロナウイルスに感染し入院中のトランプ米大統領が米国時間5日にも退院すると伝わったことが市場心理を強気に傾けた。これが週を通じて日米ともに相場を強くした背景になる。6日(火)は続伸。前日の米国株市場で主要株価指数が揃って大幅高となり、これを受けて東京市場もリスク選好ムード。ただ売買代金は9月7日以来となる2兆円台割れと低調だった。7日(水)は前日にトランプ米大統領が11月の大統領選後まで追加経済対策協議を中止する方針をツイートし、これを受けた米株安を引き継ぎ軟調地合いで始まったが、その後は次第に下げ幅を縮小。トランプ米大統領が航空会社や中小企業向け支援策にツイッターで言及したことも好感され、終盤はプラス圏浮上にあと一歩に迫る場面もあった。ただし売買代金は連日の2兆円割れとなった。そして8日(木)は再び日経平均が上値指向を強め、2万3600円台で着地し8ヵ月ぶりの高値をつけた。9日(金)は米追加経済対策への期待感は根強く、前日の米株堅調を受け朝方は買い優勢でスタートしたもののその後は利益確定売りに値を消す展開。終盤は下げ渋り結局小幅安で着地した。
■来週のポイント
8月半ば以降、重いながらも上値を追う展開が続いており、来週はおよそ9ヵ月ぶりの2万4000円台乗せが期待できそうだ。
重要イベントとしては、国内では12日朝に発表される8月機械受注統計が注目される。海外では13日に発表される中国9月貿易収支と米国9月消費者物価指数、15日に発表される中国9月の消費者物価指数と生産者物価指数、16日に発表される米国9月の小売売上高と鉱工業生産に注視が必要だろう。
■日々の動き(10月5日~10月9日)
【↑】 10月 5日(月)―― 反発、トランプ大統領の病状改善で買い戻し優勢
日経平均 23312.14( +282.24) 売買高10億4647万株 売買代金 2兆0711億円
【↑】 10月 6日(火)―― 続伸、米株大幅高を受けリスク選好の買い継続
日経平均 23433.73( +121.59) 売買高 9億8971万株 売買代金 1兆9941億円
【↓】 10月 7日(水)―― 小反落、米株安で軟調も朝安後下げ渋る
日経平均 23422.82( -10.91) 売買高 9億3203万株 売買代金 1兆9325億円
【↑】 10月 8日(木)―― 反発、米株大幅高を受け主力株中心に買い優勢
日経平均 23647.07( +224.25) 売買高10億2923万株 売買代金 2兆1524億円
【↓】 10月 9日(金)―― 小反落、朝高も高値警戒感から利益確定売り優勢
日経平均 23619.69( -27.38) 売買高10億1362万株 売買代金 2兆1225億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、31業種が上昇
(2)郵船 <9101> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄といった景気敏感株が買われた
(3)第一生命HD <8750> など保険、野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株は反発
(4)リクルート <6098> などサービス、ソフトバンクG <9984> 情報・通信など内需株は総じて高い
(5)コマツ <6301> など機械、日立 <6501> など電機、ホンダ <7267> など自動車といった輸出株も堅調
(6)国際石開帝石 <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油は買い戻された
(7)日水 <1332> など水産・農林、アステラス <4503> など医薬品は小安い
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