今週の【早わかり株式市況】5週ぶり大幅反落、米株主導で週後半大崩れ
■今週の相場ポイント
1.日経平均は5週ぶり大幅反落、米株主導で週後半大荒れの展開に
2.バイデン政権下での追加経済対策やワクチン普及への不透明感が重荷
3.FOMCの結果やパウエル会見は想定通りもリスクオフの流れが加速
4.28日(木)は日経平均が400円超える下げで半年ぶりの下げ幅に
5.週末は朝高後に大崩れ、500円超下落で2万8000円台割り込む
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比968円(3.38%)安の2万7663円と5週ぶりに大幅反落となった。
今週の東京市場は、いよいよ本格化する企業の決算発表を前に週初は好決算期待の買いが先行したが、その後は利益確定の売りに押された。週後半になると米株安が引き金となってリスクオフの流れが一気に強まり、日経平均は急落する展開を強いられた。
週明け25日(月)はバイデン新政権が打ち出す追加経済対策の先行き不透明感が上値を重くしたものの、企業の好決算発表への期待感が買いを誘引し、日経平均は2万8800円台で高値引けとなり約30年半ぶりの高値をつけた。26日(火)はワクチン普及に対する不透明感が嫌気され、景気敏感株を中心に利食い急ぎの動きが出た。後場一段安の展開で270円あまりの下げとなった。27日(水)はFOMCの結果とパウエルFRB議長の記者会見を控え、方向感に乏しい展開だった。日経平均は反発したものの上げ幅も限られた。28日(木)はリスク回避圧力が一気に高まった。FOMCの結果は想定通りでパウエルFRB議長も大規模緩和策の長期化を示唆したが、前日の米国株市場は急落。これを受けて日経平均は一時下落幅が650円を超え、大引けも400円超の下げで約半年ぶりの下落幅に。そして29日(金)は更に波乱の色を強めた。朝方は日経平均が高く始まったが、その後は失速、後場に入ると米株価指数先物の下げなどを横目に売りが加速し、前日の下げ幅を上回る500円超の急落となった。終値ベースで約3週間ぶりに2万8000円台を割り込んだ。
■来週のポイント
今週週末にかけて急落しただけに、来週は底値を探る展開を強いられそうだ。
重要イベントとしては、国内では5日に発表される12月景気動向指数が注目される。海外では1日発表の米国1月ISM製造業景況指数や2日発表のユーロ圏10-12月期GDP、5日に発表される米国1月雇用統計と米国12月貿易収支に注視が必要だろう。
■日々の動き(1月25日~1月29日)
【↑】 1月25日(月)―― 反発、半導体関連が買われ30年半ぶりの高値
日経平均 28822.29( +190.84) 売買高10億1645万株 売買代金 2兆1050億円
【↓】 1月26日(火)―― 反落、景気敏感株を中心に利益確定売りが優勢
日経平均 28546.18( -276.11) 売買高10億7061万株 売買代金 2兆3130億円
【↑】 1月27日(水)―― 反発、決算発表横にらみにリスク選好の買い優勢
日経平均 28635.21( +89.03) 売買高11億5958万株 売買代金 2兆6188億円
【↓】 1月28日(木)―― 急反落、米国株急落を受けリスク回避の売り優勢
日経平均 28197.42( -437.79) 売買高21億3765万株 売買代金 4兆8334億円
【↓】 1月29日(金)―― 大幅続落、米国市場動向の警戒感でリスク回避の売り優勢
日経平均 27663.39( -534.03) 売買高15億7635万株 売買代金 3兆2329億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、29業種が下落
(2)郵船 <9101> など海運、住友鉱 <5713> など非鉄、日本製鉄 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株が大きく売られた
(3)東京海上 <8766> など保険、日本取引所 <8697> などその他金融、新生銀 <8303> など銀行といった金融株は大幅続落
(4)トヨタ <7203> など自動車、オリンパス <7733> など精密機器、ソニー <6758> など電機といった輸出株も大幅安
(5)内需株はNTT <9432> など情報・通信や大成建 <1801> など建設、エムスリー <2413> などサービスが下落も
三井不 <8801> など不動産、日清粉G <2002> など食品、武田 <4502> など医薬品は上昇
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 半導体 ── 世界的な半導体不足で業界に地殻変動
2(2) 再生可能エネルギー
3(3) 半導体製造装置
4(7) 電気自動車関連
5(5) 2020年のIPO
※カッコは前週の順位
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