「パワー半導体」が19位にランク、富士電機の投資計画前倒しで改めて脚光浴びる<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「パワー半導体」が19位にランクインしている。
8日付の日本経済新聞で、「富士電機は電気自動車(EV)の中核部品となるパワー半導体関連の投資計画を1年前倒しする」と報じられたことで、改めて関心が高まったようだ。記事によると、22年度までの4年間で山梨県の工場などに1200億円を投じるとしており、23年度までの5年間を予定していた従来計画に比べて1年前倒しとなる。
パワー半導体とは、半導体の中でもモーターや照明などの制御や電力の変換を行うもので、交流と直流の変換、電圧の変換などによるモーターの駆動、バッテリーの充電などに使われる。半導体の中でも集積回路やメモリが「頭脳」に例えられるのに対して、パワー半導体は「筋肉」に例えられる。新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークをはじめとするオンライン化や、5Gの普及に向けた通信設備投資の加速を背景に、世界的に半導体市場が活況を呈しているが、パワー半導体も電気自動車(EV) を牽引役とした自動車生産の急回復で車載用に需要が拡大しており、同社もEVの普及を見込んで増産体制を整えるという。
今年に入り、2月中旬に米テキサス州に寒波が襲来して大規模停電を起こし、独インフィニオンテクノロジーズやオランダNXPセミコンダクターズの工場が軒並み停止。この影響で、マイコンやパワー半導体などの需給がひっ迫した。これを受けて、今年に入りパワー半導体関連株への関心が一気に高まったが、EVの普及という背景があるだけに、テーマとしての「パワー半導体」も長く注目されそうだ。
この日の関連銘柄は、富士電機<6504>、三菱電機<6503>が堅調に推移し、タカトリ<6338>、トレックス・セミコンダクター<6616>、ウインテスト<6721>なども買われている。