「半導体」がランキング首位、半導体供給網強化は世界的テーマに<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「半導体 」が1位となっている。
新型コロナウイルスの感染拡大によって世界の産業構造も変化した。顕著であったのはテレワークの導入加速や企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を強く喚起したことだ。その結果、通信・情報機器市場の拡大やデータセンターの増設をもたらし、半導体需要が押し上げられる格好となった。更に、ここにきてビットコイン価格が急騰していることもマイニング需要を復活させ、ここでも膨大な半導体へのニーズを増幅させることが予想される。今後も半導体関連需要は中期的にみてうなぎ上りとなることが予想され、スーパーサイクル突入論が再び幅を利かすことになりそうだ。
何はともあれ、足もとでは半導体不足が自動車生産を滞らせるなど、その解消が世界的に大きなテーマとなっている。バイデン米政権は、新たに打ち出した巨額のデジタルインフラ投資計画において、半導体サプライチェーンの強化を謳い、その対応に本腰を入れる構えをみせている。直近では、世界的な半導体供給懸念への対応策について、米インテルやTSMC幹部とオンライン協議を行ったことが伝えられている。また、今週16日には菅首相とバイデン大統領との間で日米首脳会談が行われる予定にあり、そこでも半導体供給に関する協調体制が議題に掲げられることは必至だ。
安定した半導体サプライチェーンを確保することは、米中摩擦においても大きなカギを握る。軍事・経済面から半導体供給網に支障をきたした状態が続けば、国益を大きく損ねることは避けられない。民間企業の生産設備増強は既に国策の流れと軌を一にする。最近では、TSMCが3年間で約11兆円の設備投資計画を発表し話題となったほか、これに先立ってインテルもアリゾナ州に約2兆2000億円を投じ、新たに2つの生産工場を建設する計画にあるなど大型設備投資に極めて積極的な姿勢をみせている。これは、有力な半導体製造装置メーカーがひしめく日本にとっては株価を刺激する強力なテーマとなる。2020年の世界の半導体製造装置売上高トップ15には東京エレクトロン<8035>をはじめ日本メーカーが7社もランクインしている。2020年の半導体製造装置市場は世界ベースで18%強の伸びを示したが、21年以降も急成長トレンドが継続する可能性が高い。
前日に米エヌビディアが英半導体設計大手アームと協業してCPU事業に参入することを発表し、米株市場でエヌビディア株は大きく買われたが、今後もこうした提携やM&Aの動きも国境を越えて活発化することが予想される。合従連衡を背景とした株式需給面からも半導体関連セクターへの注目度は高まりそうだ。
関連銘柄としては、東京エレクトロン、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>、SCREENホールディングス<7735>、野村マイクロ・サイエンス<6254>、テラプローブ<6627>、ローツェ<6323>といった半導体製造装置メーカーやSUMCO<3436>、信越化学工業<4063>、東京応化工業<4186>といった半導体素材メーカーに至るまで幅広く注目されそうだ。