配当期待で最大はあの定番銘柄がトップ、株主優待期待では

特集
2021年5月5日 9時30分

第3回 強い投資家はどんな人~日本株投資家3900人調査で解明!(データ分析・全体編)

筆者/真弓重孝 = 『株探』編集部・編集統括プロデューサー

ビジネス誌、マネー誌などを経て、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る。

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『株探』編集部が実施した第1回 「株探-個人投資家大調査」(2021春)のデータ分析・全体編の3回目は、

注視する「国内」および「海外」関連の指標・情報、

日本株以外の投資対象の動向

『株探』および『株探プレミアム』の活用内容

配当期待が最大&2番目、また株主優待期待が最大の銘柄について、それぞれのトップ30のランキング

――などを紹介する。

回答者全体のデータ分析は今回が最後になる。今後は

・億の運用資産を保有する人、

・投資を開始してからの資産を大きく増やした人、

・もうすぐ億トレの人、

・運用成績の勝ちが続いている人、

・投資スタイルや年齢別の動向

――といった属性別の分析を掲載していく。

それでは、これから全体編について見ていく。

国内関連は政府・日銀・ドル円、海外関連はFRB・海外株指数・米長期金利

まず注視する「国内」関連の指標・情報では、「日本政府の政策・財政支出動向」がトップとなり、僅差で「日本銀行の金融政策」となった。

政策・財政支出の予算動向はグロースの見極め、テーマ選択、需給面と幅広くかかわるだけに、個人投資家の注目度も高かった。

双璧の日銀の金融政策も「中央銀行に逆らうな」というフレーズがあるだけに、需給面などで無視できない存在だ。その威力は昨年のコロナ禍でも示されただけに、今後も引き続き注視されていくとみられる。

また最近は感応度が以前に比べて薄れているといわれるドル円レートや日経225先物、長期金利、投資主体別動向と、日本市場の取引シェアの過半を握る海外投資家の動きなどに関連する指標の注目度も高かった。

■注視する「国内」関連の指標・情報

【タイトル】

注:回答は「特にない」以外、いくつでも選択可。回答数は1万0427

次に、注視する「海外」関連の指標・情報では、「FRB(米連邦準備理事会)の金融政策」、米ダウ工業株30種平均やナスダック総合株価指数などの「米国株価指数」、そして「米国の長期金利(名目)」が、ほぼ同水準で並んだ。

こちらも、海外投資家の投資態度に大きな影響を与える指標・情報に、関心が高い状況が浮き彫りになった。

■注視する「海外」関連の指標・情報

【タイトル】

注:回答は「特にない」以外、いくつでも選択可。回答数は1万0794

日本株以外に投資対象があるは過半、投資信託がトップ、米国株が2位

日本株以外の投資対象について聞いたところは、半数を超える人が「ある」と回答した。運用対象については、トップが「投資信託」となり、続いて「米国株」「海外ETF(上場投資信託)」と海外資産が続いた。

国内ETFより投資商品が格段に多い海外ETFが3位に付けたのは、GAFAM(グーグルの親会社のアルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)に代表される人気ハイテク株に分散投資ができることや、通貨や資産分散を意識した日本株投資家が一定数いることが想定される。

投資信託について今回はバランス型やREIT型、世界株といった運用対象について質問しなかった。しかし、海外株、海外ETFが投資対象の上位に来ていることを踏まえると、海外資産を対象にする商品などを保有している可能性が高い。

保有する投信の種類については、今後の調査で把握できるようにしていく方針だ。

■日本株以外の投資対象の有無

【タイトル】

注:単独回答。回答数は3920

■日本株以外の投資対象の内訳

【タイトル】

注:いくつでも選択可。回答数は5326。ETFは上場投資信託。金などのコモディティーはCFD・ETFを除く

『株探』の活用は市場ニュースが、『株探プレミアム』では専用コラムがトップ

『株探』および『株探プレミアム』の利用動向については、約9割の人がいずれかを利用していることが明らかになった。これは本調査の告知を『株探』を主体に実施したことが影響していると見られる。

利用者の活用情報および機能をみると、『株探』は「市場ニュース」「個別銘柄の基本情報」「株式チャート」「個別銘柄の業績データ」「人気テーマランキング」が上位にきた。

現在、進行中の個人投資家への取材でも、『株探』については速報記事の評価やチャートの使い勝手を評価する声や、テーマ分類を活用しながら銘柄選別に役立てている状況などを聞いている。

■『株探』および『株探プレミアム』の利用動向

【タイトル】

注:『株探プレミアム』の利用者は『株探』利用者を含む。回答数は3920

■『株探』の活用情報・機能

【タイトル】

注:いくつでも選択可。回答数は1万6261

『株探プレミアム』の活用情報および機能では、すご腕投資家などを紹介する「会員限定コラム」がトップとなった。2番目は「四半期業績の長期データ」と「通期の長期業績データ」が同率で並び、次に「業績修正履歴」となった。

長期業績データについては、これまでの個人投資家の取材からもファンダメンタルズを重視する人には「必須アイテム」といって過言ではない評価を得ていた。今回の調査でも、その評価と違わぬ結果となった。

『株探プレミアム』以外の有料サービスの利用動向を聞くと、「特にない」がトップに。この中に『株探プレミアム』で投資に必要な情報が完結している人がいるのかどうかの解明は、今後の課題にする。

そのほかは、『日本経済新聞』『会社四季報』という伝統的メディアが上位に付けた。

■『株探プレミアム』の活用情報・機能

【タイトル】

注:いくつでも選択可。回答数は3429

■『株探プレミアム』以外の有料サービスの利用動向

【タイトル】

注:いくつでも選択可。回答数は7264

日本株の取引で主に利用している証券会社を2社まで挙げてもらったところ、トップ2はネット証券の雄で占めた。続いて松井証券の後に、野村證券がマネックス証券、auカブコム証券を押さえて4位にランクインした。

旧4大証券の一角を占めたSMBC日興証券と大和証券は、auカブコム証券の後に続いた。

■日本株の売買で主に利用している証券会社

【タイトル】

注:2つまで選択。回答数は6217

最後に、回答時点で配当期待が最大の銘柄と2番目の銘柄の上位30をそれぞれ掲載する。

なお配当期待が2番目に大きい銘柄と株主優待が最大の銘柄のランキングには、『株探』の運営会社であるミンカブ・ジ・インフォノイド<4436>が含まれていたが、これまでの掲載方針に基づきランキングからは除外している。

■配当期待が最大の銘柄

順位銘柄名<コード>
1日本たばこ産業<2914>
2オリックス<8591>
3三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>
4ソフトバンク<9434>
5武田薬品工業<4502>
6KDDI<9433>
7三井住友フィナンシャルグループ<8316>
8三菱商事<8058>
9ENEOSホールディングス<5020>
10NTT<9432>
11日本郵政<6178>
12伊藤忠商事<8001>
13みずほフィナンシャルグループ<8411>
14エイベックス<7860>
15日本郵船<9101>
16スクロール<8005>
17三菱HCキャピタル<8593>
18コニカミノルタ<4902>
19トヨタ自動車<7203>
20アサヒホールディングス<5857>
20丸紅<8002>
20野村ホールディングス<8604>
23イオン<8267>
23任天堂<7974>
25三井物産<8031>
26キヤノン<7751>
26あおぞら銀行<8304>
28電源開発<9513>
28セブン銀行<8410>
30ベリテ<9904>
注:回答数は2352。順位は回答数の多い順

■配当期待が2番目に大きいの銘柄

順位銘柄名<コード>
1オリックス<8591>
2三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>
3ソフトバンク<9434>
4日本たばこ産業<2914>
5KDDI<9433>
6三菱商事<8058>
7ENEOSホールディングス<5020>
8三井住友フィナンシャルグループ<8316>
9日本郵政<6178>
10武田薬品工業<4502>
11みずほフィナンシャルグループ<8411>
12NTT<9432>
13伊藤忠商事<8001>
14三菱HCキャピタル<8593>
15キヤノン<7751>
16丸紅<8002>
17エイベックス<7860>
18サムティ<3244>
19野村ホールディングス<8604>
19三井物産<8031>
19トヨタ自動車<7203>
22ソニーグループ<6758>
23日本郵船<9101>
25アサヒホールディングス<5857>
26INPEX<1605>
27電源開発<9513>
27ベリテ<9904>
29東京エレクトロン<8035>
29ブリヂストン<5108>
29コニカミノルタ<4902>
注:回答数は1668。順位は回答数順

■株主優待の期待が最大の銘柄

順位銘柄名<コード>
1オリックス<8591>
2イオン<8267>
3KDDI<9433>
4日本たばこ産業<2914>
5すかいらーくホールディングス<3197>
6日本マクドナルドホールディングス<2702>
7ANAホールディングス<9202>
8トリドールホールディングス<3397>
9オリエンタルランド<4661>
10コロワイド<7616>
11ヤマダホールディングス<9831>
12日本航空<9201>
13ビックカメラ<3048>
14RIZAPグループ<2928>
15クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>
16ラックランド<9612>
16神戸物産<3038>
16ひろぎんホールディングス<7337>
19コメダホールディングス<3543>
20三越伊勢丹ホールディングス<3099>
21三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>
22ジャパンインベストメントアドバイザー<7172>
22東日本旅客鉄道<9020>
22ヤーマン<6630>
22築地魚市場<8039>
22楽天グループ<4755>
27エイベックス<7860>
27ヒロセ通商<7185>
29全国保証<7164>
29ゼンショーホールディングス<7550>
注:回答数は2009。順位は回答数順

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

★1日~5日に「ゴールデンウイーク特集」などを一挙、"32本"配信します。ご期待ください。

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