「パワー半導体」が1位、半導体関連株の総蜂起でテーマ性再燃<注目テーマ>
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10 ディフェンシブ
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「パワー半導体」が1位に輝いている。
ここにきて日米ともに半導体セクターの銘柄を総花的に買い戻す動きが顕在化している。スマートフォンやパソコンの売れ行きが低調でメモリーを中心に半導体の需要減速が懸念されているが、関連銘柄はかなり早い段階から市況の軟化を織り込んでいた。足もとの受注環境は風向きが悪いものの、主力銘柄を中心にヘッジファンドなどの空売りが高水準に入っていたこともあって、そのショートカバーが株価の戻りにつながっている。
一方、同じ半導体の範疇でもメモリーなどの「演算」や「記憶」などの働きをする半導体とは異なり、電子機器へ電力を供給したり制御したりする“力仕事”を担うパワー半導体は引き続き旺盛な需要を保っている。世界がこぞって脱炭素戦略に動きだすなか、モーターの駆動や、蓄電に必要な制御をパワー半導体が行う。電気自動車(EV)向けでも必須のキーデバイスであり、今後の市場は拡大の一途となることが予想される。
パワー半導体関連の最近の大化け銘柄としてはタカトリ<6338>が挙げられる。同社は次世代半導体の有力候補とされるシリコンカーバイド(SiC)材料を切断する装置(マルチワイヤーソー)を製造し、抜群の商品競争力で大型受注が相次いでおり、製品領域は違うものの現在のレーザーテック<6920>を想起させるようなニッチトップ銘柄としてマーケットの視線が集中した。同社株は今月16日に6790円の上場来高値をつけたが、株価は初動時から半年で約5倍化した。このタカトリの急騰パフォーマンスがパワー半導体関連の他の銘柄にも投資資金を誘引する大きな契機ともなっている。
パワー半導体は世界的にも日本企業の強みが発揮される分野で、三菱電機<6503>や東芝<6502>、富士電機<6504>といった大手重電メーカーは世界でも屈指の存在。タカトリで話題となったSiC型ではローム<6963>が高い実績を持っている。このほか、有力関連株としてタムラ製作所<6768>、三社電機製作所<6882>、トレックス・セミコンダクター<6616>、テセック<6337>、シキノハイテック<6614>などが挙げられる。