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NTT・JAXA実証始動、「衛星データ関連株」に宇宙マネー流入へ <株探トップ特集>

特集
2026年4月22日 19時30分

―防災やインフラ管理などで重要な役割、安全保障分野でも需要高まる―

NTT <9432> [東証P]は15日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と低軌道(LEO)衛星を使ったデータ転送の実証実験を始めたと発表した。複数アンテナによる通信で伝送容量を増やせるMIMO(マイモ)技術などを確立することが目的で、将来的には地上通信網の整備が難しい海洋や山間部でもIoT(モノのインターネット)機器からのデータ通信が可能になるという。衛星データは 防災関連や社会インフラ監視といった用途だけでなく、米国・イスラエルとイランの軍事衝突などから安全保障分野でも需要が高まっているとみられ、関連銘柄に注目してみたい。

●政府は活用促進を後押し

衛星データとは、 人工衛星に搭載されたセンサーが地球や宇宙を観測して取得する情報(画像、温度、電波など)の総称。活用領域としては防災関連や社会インフラ監視のほか、行政の一般業務(土地測量・家屋異動判読、耕作放棄地確認など)、農林水産・畜産(圃場モニタリング業務など)、自然・地理や環境計測、金融(保険額算定支援、先物市場向けデータなど)、建設・土木(地盤変動監視、建設進捗管理、建機・重機の自動運転支援など)、物流(海運、陸運などでの位置情報・トラッキングデータなど)が挙げられる。

政府は宇宙産業を日本経済の成長分野と位置づけ、2020年に4兆円となっている市場規模を30年代の早期に2倍の8兆円に拡大する目標を掲げており、人工衛星やロケットなど宇宙機器産業の国際競争力の強化、衛星通信・データ提供などの宇宙ソリューション産業の振興に取り組んでいる。高市早苗政権が最重要政策に掲げる経済成長実現のための司令塔として設置した日本成長戦略会議は3月10日、戦略17分野のうち集中的に支援すべき製品・技術のひとつとして「人工衛星・サービス」を提示。高市首相とマクロン仏大統領は今月1日の会談で宇宙分野の協力で合意し、両国の企業が宇宙ごみの除去やロケットの打ち上げ、衛星データ連携といった項目で共同事業に取り組む意向を示していることもあり、関連企業のビジネス機会が広がりそうだ。

●相次ぐ企業の取り組み

ウエスコホールディングス <6091> [東証S]傘下のウエスコは14日、JAXAが公募した宇宙戦略基金(第二期)の技術開発テーマ「衛星データ利用システム実装加速化事業」で、スペースシフト(東京都千代田区)と共同申請した「マルチモーダルAIによる違法・不正盛土検知と土砂崩落リスク評価」が採択されたと発表。同社は総合建設コンサルタントとして培ってきた土木工学的知見と各種測量・調査技術、実業務の経験を生かし、防災・インフラ分野におけるデータの整備やリスク評価の要素検討を担うという。

スカパーJSAT <9412> [東証P]とNTTの合弁で設立されたSpace Compass(スペースコンパス)は13日、米アポリンクやスカJSAT米現地法人のJSATインターナショナルと、静止軌道(GEO)-LEO間における光データリレーサービスの技術的及びビジネス面での可能性を共同で検討することを目的に覚書を締結したと発表。各社が持つ強みを最大限に生かし、光衛星間リンクのコンセプト策定をはじめ、技術的・事業的な実現可能性の評価に取り組む構えだ。

古野電気 <6814> [東証P]は7日、独自の海況予測システム「Phizmo(フィズモ)」を基盤としたグローバル海況予測データサービスの正式提供を開始したことを明らかにした。このシステムは船舶向けの航海用電子機器で培ってきた海洋分野の知見と、衛星データ同化・数値予測技術を融合し、高解像度・高精度な海況予測を可能とするもの。活用領域としては、研究・教育、自治体・観光(安全管理)、物流・海運、建設・インフラ(港湾工事)などを想定している。

アクセルスペースホールディングス <402A> [東証G]は3月30日、ANAホールディングス <9202> [東証P]などとJAXAの技術開発テーマ「次世代地球観測衛星に向けた観測機能高度化技術」で、提案した技術開発課題が採択されたと発表。これは衛星編隊や旅客機などを活用し、発生源別(時刻別・地域別)に二酸化炭素(CO2)の排出・吸収量を解析・提供するもので、国際的なCO2モニタリングの指標づくりと標準化を目指すという。

Synspective <290A> [東証G]は3月23日、サウジアラビアの国家地球観測データプラットフォーム「NSG UP42」とデータパートナーシップ契約を締結したことを明らかにした。これにより、同社は高頻度・高分解能なSARデータ(衛星や航空機からマイクロ波を地表に照射し、その反射波を解析して画像化したもの)製品のライセンスを供与し、NSG UP42のプラットフォームを通じて提供。NSG UP42の利用者は、統一されたデジタルインターフェースを通じて、同社の地球観測データをシームレスに検索・購入することが可能になるという。

●QPSHDなどにも注目

このほかQPSホールディングス <464A> [東証G]も要マークだ。同社は30年に36機の衛星コンステレーション(複数の人工衛星を連携したシステムのこと)を構築し、SARデータを防災・減災やインフラ管理など社会課題の解決に役立てることを目指している。また、同社の「多数の衛星運用に伴う情報の分散と運用負荷の増大」という課題に対し、これらを統合管理する「人工衛星モニタリングダッシュボード」を開発・納品したFusic <5256> [東証G]にも注目したい。

これ以外の関連銘柄としては、東京大学と「チームSpace Data Lab(チームスペースデータラボ)」を結成しているアドソル日進 <3837> [東証P]、子会社が提案したザンビア共和国における水資源管理を目的とした衛星データ活用が国際協力機構(JICA)に採択されているエル・ティー・エス <6560> [東証P]、スペースシフトに出資している長瀬産業 <8012> [東証P]、衛星データの活用に向けた検討や実証に取り組んでいる衛星データサービス(東京都千代田区)に出資しているゼンリン <9474> [東証P]などがある。

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