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骨太の方針に反映へ、国策始動で注目高まる「攻めの予防医療」関連株 <株探トップ特集>

特集
2026年6月3日 19時30分

―性差に由来する課題対応など推進、健康寿命の延伸で社会の支え手を確保―

政府は5月25日、首相官邸で開いた「攻めの 予防医療に向けた性差に由来するヘルスケアに関する副大臣等会議」で論点整理を取りまとめた。攻めの予防医療とは、疾病の予防と健康づくりに取り組むことで健康寿命の延伸を図り、すべての国民が生涯にわたって元気に活躍できる社会を目指すもの。上野賢一郎厚生労働相は同日の記者会見で「攻めの予防医療」全体の大きな政策を打ち出す意向を示しており、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)や成長戦略にも反映される見通しであることから関連銘柄に目を向けてみたい。

●高市政権の重要課題

議長を務めた佐藤啓官房副長官は「攻めの予防医療を具体化し、実効性のある施策として着実に推進していくことが重要」と強調。論点整理では「性差に由来する健康課題への対応:更年期を中心とした女性・男性それぞれの健康課題に対応した医療の推進、女性の健康総合センターの機能強化、性差を考慮した医療に関する教育の充実」「ライフステージに応じた健康課題への対応:ライフステージに応じた対応の具体的な工程表策定・実行、研究開発推進、プレコンセプションケア推進(プレコンセプションケアとは性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めた将来設計や将来の健康を考えた健康管理を行うこと)」「企業・保険者などにおける対応:健康経営に取り組む中小企業への支援、中小企業における健康経営推進に向けた自治体・経営支援機関と地域の健康づくり支援機関の連携強化、攻めの予防医療に向けたヘルスケア産業の育成」という3つの方向性が示された。

内閣官房が主導する日本成長戦略会議では、「創薬・先端医療」を戦略17分野のひとつに挙げており、「健康医療安全保障の観点から攻めの予防医療により国民が生涯にわたり元気に活躍できる社会を実現し、社会保障制度を含めた社会の支え手を確保することが必要」だと指摘。デジタルヘルスサービスの国内市場を拡大するため、企業・保険者による健康投資額を2025年の約1兆円から40年までに約2倍にする目標を掲げている。

●フェムテック企業に商機

攻めの予防医療に向けた性差に由来するヘルスケアに関して注目したいのが、女性が感じている健康上やライフスタイルの悩みをテクノロジーの力で解決する商品やサービスである「フェムテック」の関連銘柄だ。

坪田ラボ <4890> [東証G]は6月2日、東京都中小企業振興公社の女性活躍のためのフェムテック開発支援・普及促進事業として実施していた「月経不順の患者を対象としたバイオレットライト(VL)と月経周期の関連性を調査する探索的臨床研究」が完了したと発表。この成果は同社が培ってきたVL技術をフェムテック領域へ横展開し、将来的な新規事業を拡大していくための足掛かりになるとしている。

カラダノート <4014> [東証G]は5月13日、自社の妊娠育児支援やヘルスケアアプリを活用した集患プラットフォームの構築及び患者定着に向けたコンテンツ連携の共同展開を目的に、GENOVA <9341> [東証P]と業務提携したと発表。従来の検索依存型の集患モデルに代わる「アプリ起点の新たな集患インフラ」の確立を目指し、医療機関のデジタルマーケティングにおける新たなスタンダードの創出に取り組む構えだ。

ユニ・チャーム <8113> [東証P]は4月22日、MTG <7806> [東証G]と共同で「次世代フェムケアの新提案」を開始したと発表。吸水ケアブランド「チャームナップ」とEMS(微弱な電気刺激により筋肉を直接動かし、収縮させる技術・機器のこと)トレーニングによって鍛える「SIXPAD」の連携により、身体的・心理的ハードルの低減を図るという。

このほかでは、フェムケアブランド「ソナエル」を展開するI-ne <4933> [東証P]、「La Luna 骨盤底筋トレーニングパンツ」を販売するリベルタ <4935> [東証S]、女性の健康情報サービス「ルナルナ」を手掛けるエムティーアイ <9438> [東証P]なども関連銘柄に挙げられる。

●健康経営支援企業に注目

健康経営とは、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。攻めの予防医療では健康経営を推進していくことが重要だとされており、取り組みを支援する企業のビジネス機会が広がりそうだ。

アドバンテッジリスクマネジメント <8769> [東証S]は5月26日、企業の産業保健体制を経営リスクの観点からアセスメントする新サービス「産業保健ドック」の提供を開始すると発表。産業保健ドックを「診断」だけで終わらせず、課題の解決までを総合的に支援するとしている。

リスキル <291A> [東証G]は5月25日、人間工学の視点から身体的不調を防ぎ、生産性の高い職場環境を構築するための「オフィス・エルゴノミクス研修」をリリースしたと発表。従業員の健康を維持しながら、組織全体のパフォーマンスを最大化することを目指した内容になっているという。

バリューHR <6078> [東証P]は4月から、健康管理サービスをスマートフォンで利用できるアプリ「VALUE LIFE(バリューライフ)」の提供を開始。今後、利用者の利便性向上に向けて段階的に機能拡充を進める考えだ。

これ以外の関連銘柄としては、福利厚生専用オンライン診療サービスを手掛けるfonfun <2323> [東証S]、健康経営やウェルビーイングに寄与する家具・環境構築を提案するくろがね工作所 <7997> [東証S]、産業医や産業保健師による役務提供サービスと従業員の心身の健康管理に関する各種クラウド型サービスをパッケージ化した「産業医クラウド」を展開するメンタルヘルステクノロジーズ <9218> [東証G]などがある。

●リハビリ関連株も要マーク

厚労省が省内の関係部局を横断してリハビリ政策を一体的に推進する新組織「リハビリテーション統括調整室」を設置したことで、関連銘柄をマークしておきたい。

Sapeet <269A> [東証G]は4月14日、自社が開発・運営するAI姿勢分析システム「カルティ シセイカルテ」が、SPS(神奈川県鎌倉市)のリハビリ特化型デイサービス「ヒラックス」の11店舗に導入されたと発表。セルソース <4880> [東証S]は4月1日、医療コンサルティングを展開するC-FORTE(栃木県足利市)と、再生医療及びリハビリ領域における新たな医療提供モデルの構築を目的に業務提携したことを明らかにしている。

また、福祉用具のレンタル・販売を行っている日本ケアサプライ <2393> [東証S]、トレーナーによるリハビリを中心としたサービスを積極的に実施しているシダー <2435> [東証S]、訪問看護・リハビリサービスを主力とするRecovery International <9214> [東証G]なども関連銘柄となる。

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