概要・株価
チャート
ニュース
かぶたん ロゴ
PR

明日の株式相場に向けて=「AI・半導体」9日目の荒天は買い場か

市況
2026年6月23日 17時30分

きょう(23日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比2565円安の6万9788円と急反落。きょうはまさに雷に打たれたような急落に見舞われたが、とはいえこれは少なくとも「青天の霹靂」という類いの下げではない。前日まで日経平均は8連騰でこの間に8100円あまりも水準を切り上げていた。想定し得ない上昇旋風に巻かれ、一気に7万2000円台まで上値を伸ばしたが、今年4月時点では「日経平均6万円時代の投資戦略」といったフレーズが雑誌やネットメディアのそこかしこに踊っていた。この現実の一片だけでも、7万円台まで短時日で駆け上がったことが、規格外の上昇相場であったことを物語っている。その反動がどこかで顕在化しないということの方があり得ない。強気論がいかに闊歩してもモメンタム相場は必ずその反動、良く言えばガス抜きのタイミングが生じる。そこは狼狽売りではなく、買い向かうチャンスと心得なければならない。

きょうは韓国KOSPIが9.99%安とスリーナイン暴落となり、こうなると同じ半導体銘柄の指数構成比率の高い日経平均も影響を受けるのは余儀ないところ。また、キオクシアホールディングス<285A>が1銘柄で4兆4000億円という驚愕の売買代金をこなしながら1万6000円以上の急落に遭遇、東京市場に轟音を響かせた。しかし、今のAI・半導体相場の底は厚い。今後も余震が続くようなら警戒が必要だが、単発的な激震で短絡的にバブル崩壊を想起させるようなことはない。今週は米マイクロン・テクノロジー<MU>の決算が最大のイベントで、ここに神経を集中させるところである。

マイクロンの決算発表は24日の米国株式市場の取引終了後になるが、これは日本時間では25日の早朝であり、最初にこの影響が及ぶのが同日の東京市場ということになる。もっとも、寄り付き前に同社株の時間外取引によって方向性が見えるため、その動向を固唾を飲んで見守ることになるが、事前の期待値が高過ぎるだけに、たとえ好調な決算内容でも株価のベクトルが上下どちらに向くかはフタを開けてみなければ分からない。

ちなみにマイクロンは直近まで3連騰で上場来高値圏をまい進しており、年初から時価総額は4倍化している。同社の決算に熱視線が注がれる最大の背景は、AIサーバーにGPUなどのAIアクセラレータとセットで搭載されるHBM(高帯域幅メモリー)の需要爆発度合いを測る意味合いが強い。HBMは韓国のSKハイニックスが世界最強のサプライヤーで、これに続くのが同じく韓国のサムスン電子とマイクロンということになる。しかも、製造企業としてはこの3社の寡占状態で3位以下は存在しないオンリースリーの構図となっている。このマイクロンの決算発表イベントを目前にして、くしくも韓国ではSKハイニックスがサムスン電子の時価総額を抜いたことがセンセーショナルに報じられた。26年ぶりの首位交代というが、これは紛れもなくSKハイニックスのHBM市場でのサムスン電子と比較した相対的優位性、言い換えれば絶対王者としての存在感にフォーカスされたものだ。今の世界的な AI 半導体関連の大相場で新たな株高ドライバーとしてHBMが再脚光を浴びるとなれば、東京市場がその恩恵を授かることが予想される。

今回マイクロンの決算発表が目先的に株価をどう突き動かすかということは置くとして、HBM市場へのマーケットの関心が以前にも増して高まってきているという事実は変えようがなく、東京市場でもHBM関連爆需が投資テーマとしてクローズアップされそうである。もちろんHBMそのもので勝負できる企業は日本には存在しないが、ここでも「ツルハシ理論」が重要なポジションを担う。

まずは、日本が世界に誇るトップシェア企業群の塊と化している 半導体製造装置業界。前日まで製造装置大手各社は揃って最高値圏を舞っていたが、きょうは初めて押し目らしい押し目を形成した。ここは「凧糸」を出し切ることなく、押し目を買い下がる算段で買い向かうチャンスである。その筆頭格はアドバンテスト<6857>といえる。半導体セクターではキオクシアは別格として、半導体製造装置関連は昨年来スポットライトを浴びる主役銘柄が頻繁に入れ替わり株価のデッドヒートを演じたが、ここにきて皆先頭集団で並走しているイメージだった。しかし、再び株価パフォーマンスに差が生じてくる可能性がある。GPUだけではなく、HBMでのテスターでも世界首位級の実力を有し、今後中期的に同社の収益機会拡大は濃厚といえる。また、HBMの3次元積層化で活躍が期待されるのがディスコ<6146>で、同社株も再評価場面が訪れそうだ。このほか、相対的に出遅れる信越化学工業<4063>は半導体シリコンウエハーというHBMにおいてもその土台を担う企業として上値余地が大きい。

あすのスケジュールでは、日銀の金融政策決定会合の「主な意見」(6月15~16日開催分)、5月の企業向けサービス価格指数がいずれも朝方取引開始前に開示される。後場取引時間中に5月の全国スーパー売上高が発表され、日銀の植田和男総裁が全国信用金庫大会で挨拶を行うが、これは氷見野副総裁が代読する予定。なお、この日はソフトバンクグループ<9984>の株主総会が開催される。海外では、5月の豪消費者物価指数(CPI)、タイ中銀による政策金利発表、6月の独Ifo企業景況感指数、5月の米新築住宅販売件数、1~3月期の米経常収支など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集