概要・株価
チャート
ニュース
かぶたん ロゴ
PR

インフレ大転換で新章突入、「消費関連」S級プレミア株・爆誕の宴へ <株探トップ特集>

特集
2026年8月5日 19時30分

―食品減税は歴史的なメルクマール、ゲームチェンジャーとなる銘柄群にズームイン!―

AI・半導体関連株は7月に大荒れの展開を余儀なくされた。足もとで同関連株は急速なリバウンド局面に移行したが、上値では戻り売りの厚い壁が控えており、買い戻しが一巡した後の上昇トレンドの持続性に関しては疑問符がつく。もっとも、前週までの動きで全体相場がリスク回避ムードに染まっていたかというと、決してそういうわけではなく、それまで一極集中的に買われていたAI周辺の銘柄群とは対極の位置関係にあった内需株やバリュー株の一群にリターンリバーサル狙いの買いが観測されていた。

ちなみに、東証プライム市場の騰落レシオは前週末時点で120%を上回る状況にあった。これは、通常は過熱ゾーンといわれる水準である。つまり、値上がり銘柄数自体は多く、AI・半導体関連に属する銘柄を除けば、むしろ東京株式市場は前週までリスクオンの波に乗っていたという現実が浮かび上がる。

●消費関連株に構造的な順風が吹く

きょうの東京市場で怒涛のリバウンドに転じたAI・半導体関連だが、このまま一直線に戻り相場が続くことは、現実的にはイメージしにくい。8月相場はこれまでマーケットであまり注目されていなかった内需の好実態株にも投資マネーの視線が向かうことになりそうだ。そうしたなか、物色の矛先が向きやすい業態として銀行株が取り上げられることが多いが、もう少し広い範囲で俯瞰すると、気がつけば 消費関連株の一角が上値指向の強さを見せつける状況となっている。依然として底値ゾーンを脱していない銘柄もあるが、順繰りに水準訂正の動きが顕在化している。そして、秋口にかけてこの流れが続きそうな気配である。

政府は 食料品の消費税を来年4月から2年間、現行の8%から1%に引き下げる方針にある。食料品分野に限られているとはいえ、消費税の引き下げは1989年の導入以来、初めてのことであり、社会的にもエポックメイキングな出来事として歴史に刻まれることになるだろう。食料品は基本的に日々消費される必需品であり、8%から1%への減税に伴い単純に購買量が増えるという要素には乏しいものの、購買余力の向上によって、それ以外の消費需要にプラスの波及効果が見込まれる公算は大きい。ただし、今はそういった次元ではなく、既に消費関連セクターには構造的な追い風が吹き始めている。

●デフレトンネルから完全脱却し新世界へ

消費関連株の優位性を示唆する背景として最たるものは、日本を含め世界的にインフレ経済が不可逆的な流れを形成していることが挙げられる。日本は「失われた30年」とも称される暗く長いデフレ環境を強いられてきたが、近年は完全に状況が変わった。構造的なインフレの定着と持続的な賃金上昇の潮流が発生しているのだ。言うに及ばず企業の“稼ぐ力”、いわゆる価格転嫁力も徐々に醸成され、製品やサービスの値上げが消費者マインドを冷え込ませることなく浸透するようになってきた。これまでの常識であった“コストは企業が被る”という概念からの脱却。「値上げをしたらモノが売れなくなる」という30年にわたる呪縛から解放される時代へと舞台は回ったのである。

消費関連セクターの個別株で既に日の目を見ている株、つまり“オンザステージ銘柄”がいくつも出現している。例えば時価総額上位の大型株ではオリエンタルランド <4661> [東証P]が鮮烈な出直り相場を演じた。前週末7月31日に3167円の年初来高値をつけたあと、目先調整局面にあるが、25日移動平均線をサポートラインとする下値切り上げ波動が続きそうである。26年4~6月期は最終利益が前年同期比50%増の412億9700万円と同期間の過去最高更新を果たしたことが、国内外の投資マネーを刮目させた。客単価は上昇傾向にあるが、10月からは東京ディズニーリゾート(TDR)チケットの上限価格を引き上げる予定にあり、更なる利益率の改善が見込まれる。株価の天井は高く、押し目形成場面を分散して拾っておくのが有効と思われる。

●消費関連の勝ち組が咆哮する株式市場

また、円谷フィールズホールディングス <2767> [東証P]もにわかに存在感を高めている。株価は7月28日と29日に2営業日連続してストップ高を演じ、マーケットの耳目を集めた経緯がある。同社は、パチンコやパチスロなどヒット商品の創出を成長ドライバーに消費セクターにおける異能の勝ち組として実力を発揮。遊技機販売の好調をバネに26年3月期の大幅増収増益に続いて、27年3月期も営業利益が前期比29%増の225億円予想と過去最高を大幅更新する見通しにある。

一方、 小売り関連では消費者のマインドにブランド力を浸透させている企業が優位性を発揮しやすい。商品のクオリティに自信があれば、インフレ環境でも顧客は離れない。また、ジャパンメイドに対する評価が高い訪日客をターゲットにインバウンド需要の取り込みも容易となる。このシナリオに乗る勝ち組企業として、良品計画 <7453> [東証P]やエービーシー・マート <2670> [東証P]が挙げられる。

良品計画は値下げを抑制しても顧客離れは起きず、高い利益率を堅持している。売り上げの4割を占める海外事業も好調を極め、26年8月期の業績は期中2度の増額修正を行い、営業利益段階で前期比33%増の980億円予想と過去最高利益の大幅更新が続く見通し。株価は7月中旬にマドを開けて買われ4589円まで駆け上がった後は、高値圏ボックスゾーンでもみ合うが、ここを踊り場に一段高が期待される。また、ABCマートもブランド力を武器に業容拡大に貪欲だ。高価格帯のスニーカーを中心に好調な売れ行きを示しているが、同社の商品は特に訪日客の購買意欲に支えられている部分も大きい。国内店舗数を積極的に増やす一方で海外展開にも注力し、同社も海外売上高比率は30%前後に達している。こちらは75日移動平均線で売り買いを交錯させているが、株主還元にも前向きな姿勢を示しており、中期スタンスで絶好の仕込み場となっている可能性がある。

●日本のカルチャーが成長エンジンに

そして、インバウンド消費の強力な呼び水となっているものは何であるかを考えた場合、総括すれば“日本のカルチャー”という答えに行き着く。食文化でありファッションであり、広い視野では鉄道や温泉などのインフラも該当する。そのなかでもアニメ・フィギュア、トレーディングカードなどの分野は一部の訪日客を虜にする強烈な誘引力を内包している。

この分野で新たな商機を見いだしているのがブックオフグループホールディングス <9278> [東証P]である。フィギュアやアニメグッズ、トレカ類は国内のみならず訪日客からの引き合いが非常に旺盛で、同社はここに焦点を当て収益構造を大きく変貌させた。26年5月期の営業利益は前の期比28%増の44億500万円と高水準の伸びを継続したが、これは会社側計画を10%強上回った。27年5月期以降も会社側の想定を超える成長力が発現されそうだ。

●生活防衛関連も活きのいい銘柄が目白押し

インフレ環境下で機動的に価格を改定して売上高を伸ばすことができるのが、小売り関連企業の強みだが、あえてその流れに逆行し、価格を維持することで顧客ニーズをがっちりとつかむパターンもある。消費者目線でみた 生活防衛関連のポジションを死守しながら売り上げ拡大トレンドを突き進んでいるのがセリア <2782> [東証S]だ。いわゆる100円ショップはデフレ経済が生んだ業態であるが、採算さえ確保できれば、経済がインフレの色を帯びること自体は顧客を引き寄せる強い追い風となり得る。同社は27年3月期営業利益を従来予想の211億円から221億円(前期比5%増)に増額したが、これは経営努力の賜物であり、既存店売上高が拡大基調にある一方で原価率や販管費抑制努力が反映された結果だ。

このほか、生活防衛関連として存在感を示す銘柄として神戸物産 <3038> [東証P]にも注目したい。食材販売の「業務スーパー」をフランチャイズ展開しており、“業務”と銘打ってはいるが、顧客のおよそ90%を一般消費者が占めているのが特長。「エブリデイ・ロープライス」を掲げ、抜群の価格競争力を武器に収益成長トレンドをひた走っていることは周知の通りだ。売上高、営業利益ともにピーク更新基調を続けており、26年10月期の営業利益も8%増益の430億円予想で13期連続の過去最高更新が濃厚である。

庶民の味方という観点では ドラッグストアの存在も見逃せない。クスリのアオキホールディングス <3549> [東証S]は北陸最大手のドラッグストアだが、筆頭株主がイオン <8267> [東証P]で、ツルハホールディングス <3391> [東証P]とも資本・業務提携関係にある。生鮮食品や調剤薬局の併設などで業界の垣根を越えた展開力に強みを持っている。26年5月期は販管費の増加をこなし、営業利益は前の期比2%増の270億9600万円と増益を確保したが、計画では230億円を予想しており、そこから40億円あまりも上乗せされた。27年5月期の同利益は前期比18%増の320億円予想と、再び2ケタ成長トレンドに突入する見込みだ。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集