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明日の株式相場に向けて=量子コンピューター関連が逆襲の株高へ

市況
2026年10月28日 17時30分

きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比685円高の6万3954円と続伸。終盤に伸び悩んだものの、一時は6万4000円台で推移した。前日同様、日経平均は一部の AI・ 半導体主力銘柄に支配された指数であるということが改めて認識される。上げ幅は1000円を超える場面もあったが、プライム市場全体を見渡すと値下がりが1100銘柄近くに達し全体の7割、値上がり数の2.5倍という状況であった。

軟調な銘柄が圧倒的に多くても、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>、ソフトバンクグループ<9984>、キオクシアホールディングス<285A>といった日本版ビッグテックが買われれば、日経平均は大幅高でリスクオンという形容がなされる。そうしたなか、日経平均への寄与度はともかく、きょうはキオクシアの独壇場と言ってよい相場だった。また、売買代金上位10傑で値を下げている銘柄はゼロ、ここだけ切り取れば全面高であった。なぜならAI・半導体関連で売買代金上位を独占しているからである。サムスン電子とSKハイニックス<SKHY>の2銘柄で時価総額の約半分を占める韓国KOSPIほどではないが、東京市場はごく少数のAI株(半導体周辺)と非AI株に分かれ、異なる2つのマーケットがプライム市場に共存しているような構造となっている。

短期の個人投資家目線に立てば、今の相場は二極化というような代物ではないという指摘もある。市場筋いわく「キオクシアと“非キオクシア銘柄”の2つに分類されるほど偏っている」(中堅証券ストラテジスト)とする。極論に聞こえるが、あながち本質から外れてはいない。そのキオクシアは信用買い残が直近金額ベースで8800億円、一時は9000億円を超える水準に達していた。ちなみにアドバンテストの信用買い残は1200億円前後である。いかにキオクシアが個人投資家の資金を強力に吸い寄せるモメンタム・モンスターであるかが窺い知れる。

そしてこのキオクシアの大膨張した買い残は、ネット証券大手のデータによると、信用評価損益率マイナス30%と水浸しを通り越したような状態にある。もちろん、今の需給悪あってこそPER4~5倍という水準に放置されているわけで、これを究極のバーゲンセールと捉えるのであれば買い下がって正解という見方も成り立つ。ただし、その場合は信用ではなく現沈(現物で安値を拾っておく)が妥当である。買い残の整理が全く進捗していない状態で、高値に買いつくのは依然としてリスクが大きい。TOPIX浮動株比率見直しに伴う買い需要が2兆2000億円というのは既に場に晒されたカードだ。一方、大株主による実需の売り圧力は未だ手の内にあるカードで、これを見極める時間は必要である。

今週は日米欧の中銀スペシャルウイークだが、3極いずれも政策金利は現状維持の可能性が高く、マーケットはそれほど気にとめていないようにも見える。他方、来週3日に控える米中間選挙はさすがに世界の注目の的だが、これも仮に上下院いずれも民主党が過半数の議席を獲得したとして、トランプ政権のレームダック化をマーケットが心底恐れているかというと、そうとも言えない状況だ。米中間選挙に関しては鉄壁アノマリーが存在するのは周知の通り。2022年までで戦後20回(1946年~)の中間選挙が行われ、選挙後1年間でS&P500指数はすべてプラスで20勝0敗、勝率100%という結果となっている。どちらに転んでも「不透明感の払拭」がオールマイティーな買い材料となるのが、これまで約80年の歴史が示してきた足跡である。

きょうはキオクシアの派手な立ち回りばかりに目が行く相場であったが、物色対象として静かに光を放っていたのが量子コンピューター関連である。今年6月、ナスダック市場に鳴り物入りで新規上場した量子コンピューター専業クォンティニューム<QNT>が今月20日以降、陽線を連打して底値離脱の動きをみせている。前日は7%を超える上昇を示した。また、同分野の先駆的存在であるイオンQ<IONQ>やリゲッティ・コンピューティング<RGTI>も大幅高で底入れ反騰の狼煙を上げている。今はAIの進化とその脅威にスポットが当たっているが、良くも悪くもハード基盤としてAIと親和性が極めて高い量子コンピューターの市場規模拡大に向けたシナリオが、アナリスト陣から上書きされている。日本国内でもこの米国の流れに追随する。三井住友DSアセットの「量子関連 世界株式戦略ファンド」や三菱UFJアセットの「量子テクノロジー関連株式ファンド」などがこれから順次設定されることもあって、関連銘柄の株価を刺激する公算は大きい。きょうはオキサイド<6521>やシグマ光機<7713>などが動兆しきりであったが、このほか、セック<3741>、テラスカイ<3915>、フィックスターズ<3687>、HPCシステムズ<6597>、エヌエフホールディングス<6864>、多摩川ホールディングス<6838>などをマークしておきたい。

あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券入札と2年物国債の入札が行われる。後場取引時間中には9月の建機出荷、10月の消費者動向調査が発表される。国内主要企業の決算発表ではイビデン<4062>、キーエンス<6861>、デンソー<6902>、ルネサスエレクトロニクス<6723>などがある。海外では、ECBが政策金利を発表するほか、週間の米新規失業保険申請件数、7~9月期の米実質国内総生産(GDP)、9月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターなど。米7年物国債の入札も予定されている。海外主要企業の決算発表では、韓国サムスン電子のほか、インテル<INTC>、サンディスク<SNDK>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>などにマーケットの関心が高い。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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