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明日の株式相場に向けて=真夏の「AIツルハシ」大旋回! 再点火の号砲鳴るか

市況
2026年8月10日 17時30分

週明け10日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1363円高の6万6970円と3営業日ぶりに急反騰を演じた。前週末は欧州株市場で主要国の株価が総じて堅調に推移し、ストックス・ヨーロッパ600指数は4日連続で史上最高値を記録。米国株市場でもハイテク株中心に買い戻しが加速し、こちらは機関投資家が重視するS&P500指数が最高値を更新した。気が付けば世界的な株高の風景が広がっている。東京市場では、7月のAI・半導体関連の下げがあまりにも急傾斜だったことで、心理的にリスクオフモードから抜け切れてはいないが、とりあえず半身の構えでもいいからファイティングポーズをとっておきたい場面ではある。

前週末に開示された7月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が事前予想の8万3000人増に対し、2万3000人減と想定外の低水準だった。更に5月と6月のデータについては下方修正された。平均時給もコンセンサスを下回り、これなら9月のFOMCで利上げに動く必要はないのではないかという見方が広がった。今週は12日に7月の米CPIなど重要指標の発表を控え、まだ何とも言えないが、仮に9月利上げの線が大きく後退した場合、次のFOMCは10月27~28日の日程となる。つまり、11月初旬の中間選挙を目前にウォーシュFRB議長としても利上げのカードはさすがに切りにくい。こう考えると、米利上げは年内あるとしても12月のFOMC一択というシナリオが見えてきた。これは世界的にみて株式市場に追い風となり得る。他方、東京市場では日銀による利上げが9月に前倒しされるのではという観測が広がっているが、これに関しては概ね織り込んでいるようだ。何はともあれ為替は足もとで再びドル高・円安方向への揺り戻しが利いている。 

個別株に目を向けると、キオクシアホールディングス<285A>の動きは今一つ鈍いのだが、それ以外の半導体及び周辺株など、いわゆる“AIツルハシ関連銘柄”は好調な決算発表や上方修正を拠りどころに、何か吹っ切れたように派手な値動きを示す銘柄も増えている。主力どころではディスコ<6146>が一時8%超の上昇、アドバンテスト<6857>も6%を超えて買われたほか、元祖光ファイバー関連のフジクラ<5803>が売買代金を膨らませ10.5%高と気を吐く場面があった。当然ながら、この時期は決算プレーに絡むバイアスは不可避といってよく、AIサーバー向け特殊銅箔で活躍期待の大きかった三井金属<5706>が、この日は冴えない決算発表を受け急落の憂き目に遭うなど油断はならない。だが業績面で内容が伴う銘柄に関しては、決算発表直後は様子見でも、相応にファンダメンタルズを評価した買いが集まる傾向が強い。一時期のようなAIの過剰投資懸念が一人歩きして、根こそぎ投資家の気勢を削ぐような局面からは脱却したようにも見える。

また、バロメーターであるキオクシアの売買代金にも反映されているように、全体市場が夏枯れ模様で商い減少気味となるなか、主力級の大型株から中小型の値動きの軽い銘柄にこれまでの流動性相場の恩恵が波及し始めた。これを今の時間軸で「AI大相場の残滓」と言ってしまうには自嘲的過ぎる。「AIツルハシ関連」のテーマで、“蚊帳の外ではなく内”にいる銘柄群にもリターンリバーサルのスイッチが入ったとみておきたい。ここから先、決算イベントが絡まない好実態株に漸次スポットライトが当たっていくことを意識する局面。例えばAIサーバー向けに付加価値の高まったプリント配線板特需を享受する京写<6837>や光ファイバー向け研磨フィルムで商機を捉えるマイポックス<5381>、更にAIサーバーに搭載される先端半導体のパッケージングでは日本トムソン<6480>が有する直動案内機器の製造技術が必須である。

半導体商社も引き続き要注目となる。前週4日に取り上げた半導体商社株では、きょうはレスター<3156>や栄電子<7567>が決算を好感しストップ高カイ気配に張り付いた。東京エレクトロン デバイス<2760>やマクニカホールディングス<3132>、立花エレテック<8159>なども継続マークしたいところ。このほか、化学株では大手のレゾナック・ホールディングス<4004>や東京応化工業<4186>といった銘柄を指標株に、荒川化学工業<4968>、ステラ ケミファ<4109>の押し目などに目を向けておきたい。

個人投資家にウケがよいのはどうしてもAI・半導体周辺ということになりがちだが、消費関連株の一角にも継続的に物色の矛先が向いており、こちらでも出世株が相次いでいる。番外で、食品減税の影響を受けやすい異色の銘柄としてスクロール<8005>を挙げておきたい。同社は生協向けカタログ通販を行っているが、食品減税によるメリットを間接的に享受する。株価は前週3日にマド開け急伸後も最高値圏で上値を慕う展開が続いている。

あすのスケジュールでは、東京市場は「山の日」の祝日で休場となるが、海外では豪中銀の政策金利発表のほか、7月の米中古住宅販売件数、米3年物国債の入札結果などが注目される。また、明後日(12日)は国内で7月のマネーストックが日銀から朝方に開示され、7月の工作機械受注額の発表、10年物物価連動国債の入札なども行われる。主要企業の決算発表では東京海上ホールディングス<8766>などが予定されている。明後日の海外では7月の米消費者物価指数(CPI)にマーケットの関心が高い。このほか、7月の米財政収支が発表、米10年物国債の入札も行われる。海外主要企業の決算発表では中国のテクノロジー大手、テンセント(騰訊控股)に耳目が集まる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

株探ニュース

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