今週の【早わかり株式市況】 2週続落、イタリア政局不安と円高を嫌気

市況
2018年6月2日 6時40分

今週の株式市場は、イタリア政局不安と円高が嫌気され、日経平均株価は2週続落した。

週初の28日は薄商いで方向感に乏しい展開となる中、前週末のNYダウ下落や為替の円高基調にもかかわらず、内需株を中心に買いが入り、日経平均は続伸した。

翌29日はイタリア政局不安と円高が進んだことで売り優勢の展開となり、日経平均は3日ぶりに反落した。30日はイタリア政局不安による欧米株安を受けてリスク回避の動きが強まったうえ、円高がさらに進んだことも嫌気され大幅続落。日経平均の下げ幅は一時400円を超え2万2000円大台を割り込む場面があったものの、下値のメドと意識される75日移動平均線割れを前に踏みとどまった。31日はイタリア政局懸念が後退したことで欧米株が反発したことを受け、主力株に買い戻しが入り3日ぶりに反発した。

週末の6月1日はトランプ米政権によるEU、カナダなどに対する鉄鋼とアルミニウムへの関税発動という売り要因と円安進行という買い要因が交錯し、日経平均はプラス圏とマイナス圏を往来する展開となった。引け際に米雇用統計の発表を控え手仕舞い売りが膨らみ、結局マイナス圏に沈んだ。

日経平均株価は、前週比279円(1.24%)安の2万2171円と2週続落して取引を終えた。週間の値幅は616円と、前週の732円から縮小した。

ここ2週間は下値を探る展開となる中、来週はメジャーSQを控えており、不安定な相場展開になりそうだ。今週末時点で日経平均は上に26週移動平均線、下に13週移動平均線と75日移動平均線が迫っており、それらを意識した動きも想定される。

重要イベントとしては、国内では7日に発表される4月景気動向指数のほか、8日のメジャーSQと4月国際収支の発表が注目される。海外では6日発表の米国4月貿易収支や8日発表の中国5月貿易収支に注視が必要だろう。

◆マーケット・トレンド(5月28日~6月1日)

【↑】   5月28日(月)―― 続伸、円高などの悪材料もこなしプラス圏で着地

日経平均 22481.09(  +30.30)  売買高10億6400万株 売買代金 1兆8136億円

【↓】   5月29日(火)―― 3日ぶり反落、イタリア政局不安や円高で売り優勢

日経平均 22358.43( -122.66)  売買高13億1193万株 売買代金 2兆0354億円

【↓】   5月30日(水)―― 大幅続落、欧米株安・円高を嫌気して一時2万2000円割れ

日経平均 22018.52( -339.91)  売買高15億9261万株 売買代金 2兆7783億円

【↑】   5月31日(木)―― 3日ぶり反発、イタリア政局懸念後退で主力株に買い戻し

日経平均 22201.82( +183.30)  売買高22億6414万株 売買代金 4兆4333億円

【↓】   6月 1日(金)―― 小幅反落、米雇用統計控え手仕舞い売り

日経平均 22171.35(  -30.47)  売買高16億0599万株 売買代金 2兆6512億円

◆セクター・トレンド(5月28日~6月1日)

(1)住友鉱 <5713> など非鉄、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼、商船三井 <9104> など海運といった景気敏感株が大きく売られた

(2)SBI <8473> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株は大幅続落

(3)原油安で出光興産 <5019> など石油、石油資源 <1662> など鉱業株が安い

(4)コマツ <6301> など機械、日立 <6501> など電機といった輸出株もさえない

(5)アステラス <4503> など医薬、三井不 <8801> など不動産といった内需株の下げは限定的

(6)任天堂 <7974> の上昇で唯一、その他製品が値を保つ

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