「全固体電池」がランキング5位、EV向けポスト・リチウムイオン電池で脚光<注目テーマ>

特集
2019年10月29日 12時23分

★人気テーマ・ベスト10

1 半導体

2 量子コンピューター

3 5G

4 半導体製造装置

5 全固体電池

6 水害対策

7 リチウムイオン電池

8 国土強靱化

9 人工知能

10 パワー半導体

みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「全固体電池」が5位となっている。

世界的な自動車の環境規制の高まりを背景に、電気自動車(EV)シフトの動きが加速している。特にEUの排ガス規制の達成期限が接近するなか、二酸化炭素排出量削減への取り組みの観点からEV市場の拡大を後押ししている。

その動力源であるリチウムイオン電池の需給逼迫が取り沙汰されているが、それに代替する次世代電池として注目されているのが「全固体電池」だ。全固体電池は現行のリチウム電池の電解液の部分を固体材料に変え、すべての部材を固体で構成した2次電池のこと。電解液は可燃性であり発火リスクがあるが、固体化することでこの問題をクリアできる。そして、メリットはそれだけではない。構造がシンプルで積層化が容易、したがって小型化もしやすい。加えて電気の貯蔵能力も高く、EV航続距離の大幅な延長と長寿命化及び充電時間の短縮など、“夢の2次電池”といってよいほどの利点を数多く持っている。

業界の関心も高く各社の開発競争が激化しているが、そのなか自動車業界の盟主トヨタ自動車<7203>の動きは注目。来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、全固体電池を搭載したモビリティの開発を進めており、これが周辺の関連株も含め様々な思惑を生むことになる。また、直近は東京モーターショーが11月4日までの日程で開催されていることもEVやハイブリッド車(HV)への注目度を高め、基幹部品である車載電池にも買いの手が広がる背景となっている。

直近、関連銘柄で異彩を放ったのが三櫻工業<6584>だ。同社は東工大と共同開発中の新型発電素子や出資先の米ソリッドパワーと共同で全固体電池の研究開発を進捗させている。19年4~9月期の営業利益を従来予想の12億円から28億円に大幅増額修正するなど足もと絶好調な業績とも相まって、投資マネーが集結している。きょうは前日に続くストップ高で株価はあっという間に倍化した。

このほか、関連株としては技術力抜群のパナソニック<6752>やチップ型の「セラチャージ」で先駆するTDK<6762>が本命格に挙げられるが、株価面で妙味度が高い銘柄として石井表記<6336>、カワタ<6292>、東邦チタニウム<5727>、オハラ<5218>、ニッカトー<5367>などに注目したい。

出所:MINKABU PRESS

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