「量子コンピューター」の注目度高い、テラスカイなど新たに頭角現す<注目テーマ>
★人気テーマ・ベスト10
1 5G
2 全固体電池
3 半導体
5 人工知能
6 半導体製造装置
9 国土強靱化
10 電気自動車関連
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で「量子コンピューター 」が4位となっている。
米グーグルがスーパーコンピューターでおよそ1万年かかる計算問題を量子コンピューターによって3分あまりで解答を導く実証実験に成功、いわゆる「量子超越」を実現したことが世界的に大きなインパクトを与え、これを契機に株式市場でも同関連株に対する視線が熱を帯びている。
コンピューターの基本コンセプトである「01」の世界から離れ、量子力学的な重ね合わせなど極微の世界で起こり得る物理現象によって並列コンピューティングを実現させるというのが「量子コンピューター 」である。米国ではグーグルのほかにも、アマゾン、フェイスブック、アップルなど「GAFA」と呼ばれる時価総額上位の主力IT企業が、同分野に積極的に資本投下する姿勢をみせている。米国の後塵を拝する日本でもこれにキャッチアップするべく、官民を挙げて研究開発を進める動きが加速している。
民間企業では、富士通<6702>などをはじめ国内大手電機メーカーやNTTグループなどが早い段階で注力姿勢を明示しているが、このほか、量子分野の研究開発で使用される微小信号測定器などを手掛けるエヌエフ回路設計ブロック<6864>や、量子コンピューターに関連するとみられる製品を扱う輸入販売子会社を傘下に置くYKT<2693>、カナダのDウェーブ社と業務提携して各種アニーリングマシンを活用した量子コンピューター導入支援ビジネスで先駆するフィックスターズ<3687>などが代表的な銘柄として株価を動意させることが多い。またAI関連のシンボルストックであるブレインパッド<3655>や、暗号解読など耐量子コンピューターの観点でユビキタス AIコーポレーション<3858>なども同関連株の一角としてマーケットの関心が高い。
直近では、米セールスフォース・ドットコムのシステムで構築するクラウド導入支援業務を手掛けるテラスカイ<3915>なども量子コンピューター関連として一気に頭角を現してきた。今年6月に量子コンピューター関連ビジネスを手掛ける子会社キューミックスを設立し、IBMと協業体制で同分野を深耕していく方針を示しており、今後の活躍が期待されている。業績も絶好調で、ここファンド系資金ともみられる継続的な買いが流入するなか株価は連日の上値追い態勢にある。