【杉村富生の短期相場観測】 ─異次元の上昇相場に乗る銘柄群!
「異次元の上昇相場に乗る銘柄群!」
●日経平均株価は30万円との試算!
相場は常に、不可解である。制御不能だし、天の邪鬼的な性質を持っている。だからこそ、筆者は基本方針(投資戦術)として、「続く流れに逆らうな、ついて行くのが儲けの道」と唱えている。異次元の上昇相場だ。すなわち、トレンド(方向→流れ)を重視すること。トレンドは水路だ。水は水路に沿って流れる。現状は“上”を向いている。
日経平均株価は5月14日に、6万3799円のザラバ高値を示現後、大荒れとなった。その直後、日足ベースでは5本の陰線を演じ、20日には5万9292円の瞬間安値まで売られた。下落幅は4507円、下落率は7.1%に達する。テクニカル的には“崩れ足”に近い。しかし、21日は一転し、瞬間6万2043円(前日比2239円高)の暴騰である。
多くの投資家が「何だッ、この動きは?」と感じているに違いない。マーケットはイラン情勢に加え、長期金利の動向、トランプ米大統領のコメントに振り回されている。ただ、目先の値動きに一喜一憂しても始まらない、と思う。相場はこんなものだ。もともと、素直じゃない。肝要なのはトレンドの確認、および現状を正しく認識することにあろう。
筆者は日経平均株価が1年以内に7万~8万円になる、と主張している。某大手証券では随分先の話だが、日経平均株価は「2040年に20万円、2045年に30万円」との試算値を公表、中・長期の上昇期待の大きさを強調した形だ。いや~、これには負ける。長期期待リターンは8.5%らしい。サナエノミクスの成長戦略が株高を支える。
さらに、インフレの定着(需給ギャップの解消)、コーポレートガバナンス改革の進展(増配、自社株買い)、NISA(少額投資非課税制度→2025年12月末は2826万口座に)を通じた個人金融資産の預・貯金偏重の是正がリスク資産の上昇を加速する。日本市場の時価総額はアメリカ市場の10分の1だ。その修正が始まっているのだろう。
●好需給が株高を支える構図!
稼ぐ“力”という意味ではITバブル時代のTOPIX(東証株価指数)の1株利益が18円だったのに対し、現在は200円を超えている。自社株買いは今年、30兆~31兆円(昨年は25兆円強)のペースだ。2015年以降、株価を下支えした日銀のETF(上場投資信託)の買い(総額37兆円)が最大年間5兆~6兆円規模だったことを考えると、自社株買いのスケールの大きさが理解できる。
すなわち、好需給である。そこに、海外投資家の猛攻だ。4月第1週~5月第2週の買い越し額(現物)は合計7兆4885億円に達する。ちなみに、小泉構造改革は小泉首相の任期中の買い越し額が30兆円、アベノミクスは安倍政権下、同25兆円だった。サナエノミクスがこの水準を上回るのは確実な情勢である。
アメリカ市場ではIT企業の大型上場ラッシュを控えている。6月のスペースX上場に続き、9月にはオープンAI、10月にはアンソロピックがIPO(株式公開)を行うと報じられている。これがAI(人工知能)、半導体関連セクターの株価を刺激するだろう。3社とも時価総額は1兆ドル(約150兆円)を上回る。スペースXは2兆ドル(300兆円)が堅い、といわれている。
オープンAIはソフトバンクグループ <9984> [東証P]が400億ドル(約6兆円)出資している。最先端半導体のアーム・ホールディングス<ARM>に加え、オープンAIの上場によって含み益が一段と膨らむことになろう。なお、アームの時価総額は3139億ドル(約47兆円)だ。時価総額約38兆円のソフトバンクグループは同社株式の90%を保有している。
トランプ政権はレアアースに続いて、量子コンピュータを戦略分野と位置づけ、資金面の支援のほか、主要企業の株式取得の方針を明らかにしている。日本企業のこの関連銘柄としてはテラスカイ <3915> [東証P]、フィックスターズ <3687> [東証P]などに注目できる。大物では日立製作所 <6501> [東証P]だろう。
切り口多彩な日機装 <6376> [東証P]は狙える。航空機部品、LNG(液化天然ガス)関連、透析装置などシェアトップの製品を擁する。いわゆる、グローバルニッチトップ(GNT)企業である。やはり、ビジネスモデルがユニークな企業は強い。ヘッドウォータース <4011> [東証G]がそうだ。今期は最高益を更新する。
イー・ギャランティ <8771> [東証P]の2027年3月期は23期連続最高益となる。さらに、有料老人ホーム運営のアズパートナーズ <160A> [東証S] 、飲料製造のライフドリンク カンパニー <2585> [東証P]、データセンター関連の黒田グループ <287A> [東証S] の好業績が際立っている。株価はジリ高となろう。
2026年5月22日 記
株探ニュース