来週の株式相場に向けて=中銀ウィーク突入も焦点はAI関連か、スペースXなど注視
12日の日経平均株価は前日比1802円高の6万6020円と大幅続伸。一時6万7000円台まで値を上げる場面があった。今週は前半に大きく値を下げ、後半に値を戻した。先週末5日に発表された米5月雇用統計が堅調な結果となり、米インフレ懸念が浮上。これを受け、日米ともに波乱展開となった。ただ、注目された10日の米5月消費者物価指数(CPI)は、食品・エネルギーを除くコア指数が市場予想を下回ったこともあり、株価の大幅な下落をもたらすには至らなかった。
インフレ懸念が浮上するなか、来週は「中銀ウィーク」を迎える。15~16日に日銀金融政策決定会合、16~17日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。日銀会合に関しては、0.25%の追加利上げはほぼ確実の情勢であり、植田日銀総裁が病気で欠席となるなか、手掛かり難となる展開もあり得る。FOMCでは政策金利は据え置き見通し。ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長にとって初登場の場となるが、今後の政策金利の方向性をどう示すかが注目される。
日米中銀の金融政策に不透明感が残るなか、当面の焦点はイラン情勢と AI・ 半導体関連株の行方となりそうだ。トランプ米大統領は11日にイランとの戦闘終結に向けた和平合意に関して「早ければ今週末にも署名できる」と発言した。依然として状況は不透明だが、イランとの和平が実現すれば、バリュー株も含めて全体相場の一段の押し上げが期待できるかもしれない。
AI・半導体関連株の動向を探るうえでは、12日にもナスダック市場に新規上場(IPO)する予定のスペースX<SPCX>の株価動向にも左右されそうだ。AI・半導体関連株は高値警戒感も強く、なおボラタイルな展開もあり得るが、外資系証券では電子部品・半導体業界に関する今週のリポートで「最大級のサイクル到来か」として、現在を「サイクル序盤戦」と指摘した。今後、AIの進化は「LLM(大規模言語モデル)」「AIエージェント」「AGI(汎用人工知能)」「ASI(超人工知能)」と進むことも予想される。それだけに、AI関連相場の先は長いともみられる。キオクシアホールディングス<285A>の時価総額がトヨタ自動車<7203>を抜きトップに躍り出たが、これもAI相場のなかの1つの出来事に過ぎないとみられている。
上記以外のスケジュールでは、海外では15日に米6月ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日に米5月住宅着工件数、17日に米5月小売売上高、18日に米6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表される。19日は米国が奴隷解放記念日(ジューンティーンス)の祝日で休場となる。15~17日にG7首脳会談(サミット)が開催される。18日にアクセンチュア<ACN>、クローガー<KR>が決算発表を予定している。
国内では17日に4月機械受注、5月訪日外客数、18日に5月首都圏新築マンション発売、19日に5月消費者物価指数(CPI)、4月開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨が発表される。15日にパーク24<4666>、ギフトホールディングス<9279>、Terra Drone<278A>、19日にコーセル<6905>、サツドラホールディングス<3544>が決算発表を行う。16日にGO<581A>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、6万4000~6万8500円前後。(岡里英幸)