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静岡県容認で急発進、割安・配当妙味の「リニア新幹線」関連6銘柄 <株探トップ特集>

特集
2026年7月23日 19時30分

―人口6600万人の巨大都市圏形成へ、再開発加速の恩恵受ける鉄道・土木関連に刮目―

静岡県の鈴木康友知事は今月、JR東海 <9022> [東証P]が進める品川―名古屋間のリニア中央新幹線の工事について、静岡工区の着工容認を表明した。唯一未着工だった同県での議論に決着がつき、開業に向け前進したリニア中央新幹線が投資家の関心を集めた。鉄道各社は駅の移設や再開発を検討しており、その波及効果に対する期待が改めて高まっている今こそ、「リニア中央新幹線」関連銘柄をチェックしておきたい。

●開業時期を年内にも発表へ

リニア中央新幹線の静岡工区での工事は今秋に始まる見込みだ。同区での工事を巡り、水資源への影響に対する懸念などが争点となっていたが、静岡県とJR東海が7月18日に自然環境保全協定を締結。同協定はJR東海が水資源や南アルプスの自然環境を守るための対策を行うことなど着工の前提となる条件が盛り込まれている。静岡工区の工事については少なくとも10年かかるとされ、リニア中央新幹線の開業は最短で2036年以降と言われている。JR東海は長野や山梨の実績をもとに静岡工区の工期を検討し、年内にも開業時期を発表する予定だ。

リニア中央新幹線が実現すれば、東京―名古屋間を最速40分、東京―大阪間を最速67分で移動することが可能となる。首都圏・中京圏・近畿圏が一体となった人口約6600万人の巨大都市圏の形成により、経済・社会活動を活性化することが期待されている。

JR各社による設備投資はリニア中央新幹線関連の需要が上乗せされることで、より活発になると期待できそうだ。JR東海はリニア中央新幹線の計画を推進するために投資を拡大。26年度は前年度計画比5%増の3670億円を投じる。JR西日本 <9021> [東証P]はリニア中央新幹線と北陸新幹線の大阪延伸を見据えた新大阪駅周辺の開発を検討。JR東日本 <9020> [東証P]はリニア中央新幹線の整備を念頭に、浜松町駅から大井町駅間を「広域品川圏」と位置付けて街づくりを進めている。

●リニアの波及効果に期待高まる

私鉄各社もリニア中央新幹線開業との相乗効果を狙う動きを見せている。京王電鉄 <9008> [東証P]はリニア中央新幹線「神奈川県駅」(仮称)の開業とそれに伴う街づくりを見据え、橋本駅の移設に取り組む方針。名古屋鉄道 <9048> [東証P]はリニア中央新幹線開業を契機に、国内外から人を呼び込むための名古屋駅地区再開発計画を検討し、今年度中に新たな方向性を示す。東京地下鉄 <9023> [東証P]は南北線をリニア中央新幹線の始発駅となる品川駅まで延伸するほか、京浜急行電鉄 <9006> [東証P]は品川駅の踏切除却や駅周辺を開発するプロジェクトを推進。リニア中央新幹線による沿線都市への波及効果が既にその萌芽を見せ始めているなかで、静岡工区の着工容認により、更なる好インパクト出現の蓋然性が高まった。

リニア中央新幹線の開業に向けては、日立製作所 <6501> [東証P]が山梨リニア実験線を走行する試験車両を設計・製造。清水建設 <1803> [東証P]などの建設各社は駅やトンネル、橋梁の工事を進めているほか、IHI <7013> [東証P]は施工に導入する建設機械を納品した実績を持つ。これらの大型銘柄の他にもリニア中央新幹線の開業に向け活躍する中小型株が多く上場している。配当利回りやバリュエーション評価の観点で投資妙味が増している6銘柄をピックアップした。

●リニア中央新幹線の開業に向けて活躍する中小型株6銘柄選抜

鉄建建設 <1815> [東証P]は鉄道インフラ全般に建設事業を展開している。5月14日には組織全体の収益力向上と事業環境を踏まえ、中期経営計画における29年3月期営業利益目標を80億円から110億円(26年3月期実績は56億2200万円)に上方修正した。リニア中央新幹線については「山梨県駅」(仮称)の新設や山梨・釜無川の橋梁工事にジョイントベンチャーで取り組む。PBRは0.8倍、配当利回りは5%以上に達している。

日本リーテック <1938> [東証P]は信号や電車線路といった鉄道電気設備の工事が主力。豊富な前期繰越工事高と堅調な受注環境を背景に、今期も3期連続となる売上高及び営業利益の過去最高業績更新を見込む。送電線設備部門ではリニア中央新幹線電力供給工事を進めているほか、系統用蓄電池やデータセンターなど次世代の社会基盤を構築するエネルギー基盤工事を受注している。PBRは1倍未満で割安感がある。

日本基礎技術 <1914> [東証S]は建設基礎工事を手掛ける。リニア中央新幹線の品川駅や名古屋駅を新設するために地盤を強化する薬液注入工事などを行った。27年3月期は米国現地法人で取り組むLNG精製プラント基地における地盤改良工事により、売上高及び営業利益が大幅に増える見通し。PBRは0.5倍台で、配当利回りは4%を超える。

安藤・間 <1719> [東証P]はリニア中央新幹線の品川駅や名古屋駅の建設に参画している。今期は建築事業が業績を牽引することで、増収・営業増益で着地する見込み。29年3月期を最終年度とする中期経営計画(27年3月期~)では累進配当を導入しており、配当利回りは4%台後半となっている。

大豊建設 <1822> [東証S]は、熊谷組 <1861> [東証P]や徳倉建設 <1892> [名証M]とリニア中央新幹線の第一首都圏トンネル(北品川工区)を新設している。27年3月期は人件費負担の増加により若干の営業減益となるものの、投資事業からの配当金などにより最終増益で着地する見通し。PBRは0.9倍未満、配当利回りは5%台に迫る水準となっている。

西松建設 <1820> [東証P]はリニア中央新幹線について、五洋建設 <1893> [東証P]と取り組む第一首都圏トンネル(東百合丘工区)の工事などを進めている。5月12日に発表した中期経営計画では29年3月期の営業利益目標350億円(26年3月期は280億2900万円)を掲げ、国内土木事業・建築事業の収益性向上や国際事業の黒字化を目指す。配当利回りは4.5%を超えている。

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