物色人気の復活なるか、反騰基調強める中小型株と9月IPOの行方 <株探トップ特集>
―グロース250指数は昨年末比2割高、アキッパなど9銘柄が新規上場―
東京株式市場では、日経平均株価の上値の重い展開が続いている。主力のAI・半導体関連株には買い疲れも台頭し、高値警戒感は強い。その一方、割安感のあるバリュー株などが見直されているが、なかでも反騰色を鮮明としているのが中小型株だ。長期の停滞局面が続いただけに反発期待も強く、AI・半導体に向かっていた資金の一部が流入している様子だ。そんななか、 9月IPOに対する関心も高まっており、駐車場シェアリングサービスを手掛けるakippa <627A> [東証S]などが期待されている。
●AI・半導体関連株からグロース銘柄へ資金シフトも
足もとで中小型株への再評価機運が高まり始めた。中小型株の動向を示す東証グロース市場250指数は7月には666.12と年初来安値をつけた。しかし、8月に入ってからは一気に急伸。28日には一時824.80まで値を上げ、8月終値では昨年末比で20%の上昇となった。この中小型株人気復活の背景にあるのは「AI・半導体関連株の一極集中相場からのリスク分散の動き」(市場関係者)だ。投資資金はバリュー系銘柄などへシフトするとともに、長期低迷傾向が続く中小型株にも流入しているようだ。
なかでも、防衛関連としても注目されるTerra Drone <278A> [東証G]のほか、グロース市場の時価総額上位銘柄であるトライアルホールディングス <141A> [東証G]やMTG <7806> [東証G]、フリー <4478> [東証G]、パワーエックス <485A> [東証G]、Synspective <290A> [東証G]などが買われている。10月に予定されているTOPIX改革「第2弾」では東証プライム銘柄に加え、スタンダードやグロース銘柄もTOPIX採用の対象となることも思惑を呼んでいる様子だ。
●直近IPOの「GO」と「ティアフォー」が人気銘柄に
また、直近IPOから人気銘柄が誕生したことも見逃せない。6月に新規上場したGO <581A> [東証G]と7月に登場したティアフォー <593A> [東証G]がそれだ。トヨタ自動車 <7203> [東証P]は8月27日、個人向けの乗用車で2028年から 自動運転を搭載すると発表した。高度な運転支援機能を持つ「レベル2++」の技術を内製化し、30年以降には搭載車種を拡大し、本格普及を目指すという。
これを受け自動運転に絡むGOとティアフォーなどに買い資金が向かっている。特に、ティアフォーはオープンソース型の自動運転ソフト「Autoware(オートウェア)」を活用した自動運転車両の開発・販売、実証・導入支援を手掛けており、自動運転技術の専門会社として高い関心を集めている。
●9社が新規登場、実質2カ月ぶりのIPO再開へ
そんななか、9月IPOでは9社が登場する。昨年に比べて6社の増加となる。内訳はグロース市場に3社、スタンダード市場に5社、名証ネクスト市場に1社というものだ。8月は夏休みシーズンでエブリー <607A> [東証G]の1社のみだったことから、実質的には2カ月ぶりのIPO再開となる。今年は2月から4月上旬にかけ7社連続で初値が公開価格を下回るなど、不振状態が続いた。ただ、6月以降は堅調な銘柄も増えており、なかでも足もとでは前出のGOとティアフォーというスター銘柄が誕生したことはIPOを活気づける要因となる。ただ、9月IPOは小型銘柄が多い一方で、エグジット(投資回収)色の強い銘柄もあり人気は割れる可能性も出ている。
●9月第1号はコンペイトウ、オリバーの再登場にも注目
9月の第1号銘柄となるのが11日に登場するKOMPEITO <618A> [東証G]だ。同社はオフィスに設置した冷蔵庫・冷凍庫でサラダや弁当などを提供する社食「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」を手掛けている。仮条件から弾いた資金吸収額は70億円台、時価総額は160億円程度。16日にはオーディオストック <621A> [東証G]とオリバー <619A> [東証S]が新規上場する。オーディオSは音源ライセンス販売サービス「Audiostock」などを展開している。資金吸収額は10億円台、時価総額は40億円程度。オリバーは施設インテリア・内装にかかる企画、デザイン設計、家具・什器の提供などを手掛ける。21年のMBOによる上場廃止後、約5年ぶりの再上場となる。資金吸収額は約240億円、時価総額は300億円程度と9月IPOでは最大規模となる。
●18日は4社が同時上場、アキッパなどに関心高まる
17日にはSkyfall <625A> [東証G]が新規上場する。同社は成果に応じて広告費が発生する成果報酬型の広告サービスなどを展開している。資金吸収額は約40億円、時価総額は110億円程度だ。
18日は4社が登場するIPO集中日となる。なかでもアキッパへの注目度が高まっている。同社は駐車場マーケットプレイス「アキッパ」の運営を展開。個人宅の駐車場や月決め駐車場などの空きスペースをスマートフォンなどを通じて貸し借りできる駐車場マーケットプレイス運営を行っている。26年12月期の単独純利益は前期比35.5%増の3億200万円の予想と拡大基調にある。資金吸収額は10億円台、時価総額は30億円台と小型だ。ベルテックス <623A> [東証S]は不動産コンサルティング、不動産企画・開発などを展開。資金吸収額は20億円台、時価総額は60億円程度。テクノクラフト <622A> [東証S]は、ゴルフカートナビなどゴルフ関連事業などを手掛ける。資金吸収額は10億円台、時価総額は30億円程度。かがやきホールディングス <624A> [名証N]は、中堅・中小企業向けコンサルティング事業などを展開。資金吸収額は1億円台、時価総額は9億円程度。
25日にはレイヤード <634A> [東証S]が登場する。同社は医療機関向けDX支援プロダクト事業などを手掛ける。資金吸収額は10億円台、時価総額は40億円程度だ。
■9月IPO一覧
コード・
上場日 上場市場 企業名 主幹事
11日 618A・東G KOMPEITO SBI
16日 621A・東G オーディオストック SBI
16日 619A・東S オリバー 大和、野村
17日 625A・東G Skyfall SBI
18日 627A・東S akippa SBI
18日 623A・東S ベルテックス 東海東京
18日 622A・東S テクノクラフト SMBC日興
18日 624A・名N かがやきホールディングス 東海東京
25日 634A・東S レイヤード SBI
(注)東Sは東証スタンダード、東Gは東証グロース、名Nは名証ネクスト
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