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GXの中核技術に注目必至、脱炭素移行で奮起する「CO2回収」関連株 <株探トップ特集>

特集
2026年9月3日 19時30分

―化石燃料ニーズに対する重要施策、関連企業のビジネス機会広がる―

2027年度の政府予算編成に向けた各省庁の概算要求が8月31日に締め切られ、経済産業省や環境省はグリーントランスフォーメーション(GX)や脱炭素投資に関連する施策を盛り込んだ。ただ、データセンターや半導体工場の新増設などによって電力需要は更に拡大することが予想され、化石燃料の必要性が一定程度残ることから政府目標である「50年までに温室効果ガス(GHG)の排出を全体として実質ゼロにするカーボンニュートラルを実現する」ことは容易ではない。そこで注目したいのが、 脱炭素の先進的な取り組みである「二酸化炭素(CO2)回収」技術だ。

●関連建設費を最大75%支援へ

経産省は7月7日に開いたカーボンマネジメント小委員会で、CCS(CO2の回収・貯留)に対する支援措置の中間整理案をまとめた。CCSは石油をはじめとする化石エネルギーの将来にわたる有効利用を可能とすることで、鉄や石油化学分野などでGX製品を生み出し、日本の最先端素材を世界市場に展開できることからエネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現に不可欠だと強調。CO2の分離回収や輸送・貯留に関わる建設費用を最大75%支援するとした。

国際エネルギー機関(IEA)によると、世界では過去2年間だけで30件を超えるCCUS(CO2の回収・利用・貯留)プロジェクトが最終投資決定に到達。年間投資額は20年以降で15倍以上に増加し、25年には50億ドル(約8000億円)を超えているという。

27年度の概算要求では、経産省が「先進的CCS支援及び国内外での貯留適地調査事業」に101億円、環境省が「CCUS社会実装・基盤構築事業」として25億5000万円を計上しており、政府の後押しが企業の取り組みを加速させそうだ。

●社会実装を見据えた動き続々

九州大学発のスタートアップで低コストかつ高効率なCO2分離回収技術の開発・実用化を進めるJCCL(福岡市西区)は8月31日、東洋製罐グループホールディングス <5901> [東証P]と減圧蒸気スイング型CO2回収装置を製品化したと発表。これは工場排ガスなどに含まれる低濃度のCO2を回収、99%以上に濃縮し、1日30キロの高純度CO2として回収できるもので、10月から一般受注を開始する予定だ。

NGK <5333> [東証P]は8月25日、CO2を直接回収するダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)設備の設計・開発・設置を手掛ける米エアキャプチャーと協業し、実証を開始したと発表。これはNGKのDAC用セラミックスを搭載したエアキャプチャーのDAC実証施設を會澤高圧コンクリート(北海道苫小牧市)に納入して実環境での評価を行うもので、同社にとって初の商用環境での実証となる。

日本ゼオン <4205> [東証P]は8月24日、JCCLと共同開発契約を締結したと発表。JCCLが持つCO2分離回収に関する材料開発、性能評価、装置開発、プロセス設計に至るまでをワンストップで提供する技術基盤・開発力と、ゼオンがポリマーデザインカンパニーとして培ってきた材料設計・量産化技術を融合させることで製品開発を加速し、社会実装の早期実現を目指す。

石油資源開発 <1662> [東証P]は8月17日、北海道苫小牧エリアでCCS事業の実現に向けた試掘2坑目の掘削を開始したことを明らかにした。苫小牧市真砂町に掘削リグ(掘削設備)を設置して、CO2の貯留に適した地層の存在を確認するとしており、先に着手した1坑目のデータとあわせて解析・評価を実施し、苫小牧エリアでのCCS事業の最終的な投資判断を行うという。

大日本印刷 <7912> [東証P]は7月31日付で、JCCLに出資した。大日印が持つ精密塗工技術や評価・解析技術、生産設備の設計・製造技術と、JCCLの材料を組み合わせることで、低コストで高効率なCO2分離回収装置を開発し、社会実装を目指す考え。同社は同装置をGHG排出量削減にも活用し、実証を通じて得た知見を今後の開発・装置提供につなげるとしている。

K&Oエナジーグループ <1663> [東証P]子会社の関東天然瓦斯開発とINPEX <1605> [東証P]の合弁会社である首都圏CCSは7月7日、千葉県九十九里沖でCCSの可能性を調査するための試掘作業を開始したと発表。このプロジェクトは、日本製鉄 <5401> [東証P]の東日本製鉄所君津地区などから排出されるCO2を回収し、九十九里沖の海底下に貯留するもの。今後予定している試掘2坑目の評価データとあわせ、同海域におけるCO2の安全かつ長期的な地下貯留の能力を評価するという。

●日本化、日阪製などにも注目

このほかでは、9月9~11日に幕張メッセで開催される「CCUS EXPO」に出展する企業も見逃せない。

東ソー <4042> [東証P]の各種CO2回収法に対応した製品、日本化学工業 <4092> [東証P]のCO2吸収剤、ノリタケ <5331> [東証P]のDAC用多孔質部材、アネスト岩田 <6381> [東証P]のブースターコンプレッサー、長瀬産業 <8012> [東証P]のCO2回収装置、西華産業 <8061> [東証P]のCO2液化装置などが紹介される予定だ。

また、日阪製作所 <6247> [東証P]はCO2回収や熱回収につながる製品・サービスを提案する構え。同社の「アミン用熱交換器 SX-80シリーズ」は、CO2吸収剤であるアミン溶液の加熱・冷却プロセスでの熱回収に特化した製品で、最高レベルの熱回収と長期安定シールを実現するという。

株探ニュース

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