桂畑誠治氏【上昇一服局面に、10月は再加速かそれとも波乱か】 <相場観特集>
―金利上昇を警戒、米中首脳会談通過後の市場の風景を読む―
週明け28日の東京株式市場は朝方に買い優勢でスタートしたが、目先筋の利益確定売り圧力も意識されるなか、その後に日経平均株価は値を消し、結局安値引けに。大型連休を挟んで前週末まで5営業日続伸しており、その反動が出た形である。米中首脳会談を通過し、今週は米国などで重要経済指標の発表が相次ぐ。また、きょうが9月の権利付き最終売買日で、あすからは受け渡しベースで10月相場入りとなる。投資家はどういったスタンスで株式市場と対峙すればよいのか。10月の日経平均のレンジや物色の方向性などについて、第一ライフ資産運用経済研究所の桂畑誠治氏に話を聞いた。
●「気迷いムードも米中間選挙後は再浮上へ」
桂畑誠治氏(第一ライフ資産運用経済研究所 主任エコノミスト)
東京株式市場は足もと方向感が見えづらく、日経平均は6万6000円台前後で強弱観を対立させている。10月相場は総じて様子見ムードで上値の重い展開となることが予想される。前週行われた米中首脳会談については、これから先、年内の追加会談を念頭に置いた部分があったかと思われるが、明確な方向性が示されなかったこともあって、今のところ株式市場においては消化難となっている。
前週末の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も上値を追ったが、きょうの東京市場への影響は限定的なものにとどまった。やはり、向こう1ヵ月は11月初旬の米中間選挙をにらみつつ買いが手控えられやすい傾向は否めない。ただし、これは選挙の結果そのものを警戒するというよりは不透明要因が足かせとなる。中間選挙は上院を共和党が微差で制し、下院は民主党が議席の過半数を獲得する「ねじれ議会」となることを予想するが、そうなったとしても選挙後は不透明感が解消されることで、米株市場には浮揚力が働くとみている。その場合、米株高を引き継いで、東京市場でも中間選挙後に上値指向を強めるシナリオを想定する。
株式市場への影響が大きいのは金利の動向で、原油価格の値動きとも密接に絡む。その意味でイラン情勢が今後どういう方向に動くのかは相場を揺らす背景として注視する必要がある。また、今週は米国で重要経済指標が相次ぐ。週央30日に開示される8月のPCEデフレーターに関しては過去データの下方改定が行われるケースが予想されるものの、翌10月1日に予定される9月のISM製造業景況感指数や、週末2日に発表される9月の雇用統計などは強い数字が見込まれ、早期の利上げ思惑が再燃する可能性も否定できない。
10月の月間ベースでの日経平均のレンジは、上値メドが8月中旬の直近戻り高値水準である6万9600円、下値に関しては今月中旬の安値6万2700円をイメージしている。ただし、リスク回避ムードが強まればオーバーシュートして売られるケースも考えられ、その場合は7月29日ザラ場安値である6万400円前後まで深押しする場面もあり得る。
物色対象として、半導体セクターは押し目買いを前提に有力とみている。一方、順張り対象としては金利の中期的な上昇圧力を考慮して、銀行株は引き続き投資妙味が大きいと判断している。このほか、国土強靱化のテーマに乗る建設株などインフラ関連は国策の追い風を背に中期スタンスでマークしておきたい。
(聞き手・中村潤一)
<プロフィール>(かつらはた・せいじ)
第一ライフ資産運用経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。
株探ニュース