明日の株式相場に向けて=物色の裾野広がりMLCCの次を探す動き
名実ともに6月相場入りとなった1日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比604円高の6万6934円と続伸。取引開始前の225先物は弱かったが、ゲートが開いた途端にスタートダッシュ、前場中ごろには6万7000円台に乗せ更に上値を指向する想定外の強調地合いとなった。高値警戒感も拭えず、ふとした拍子に利食い急ぎの動きに転じる銘柄も多くなっているが、これは当然かつ健全な動きである。それでもきょうは売買代金上位4傑の、キオクシアホールディングス<285A>、ソフトバンクグループ<9984>、村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>の4銘柄が揃って頑強ぶりを発揮し、日経平均を押し上げた。なお、値下がり銘柄数が全体の7割を占め、TOPIXは軟調に推移しNT倍率は17倍台まで拡大したが、これを憂うよりも今は素直にAI・半導体相場の懐の深さを評価するところだ。
足もとでは半導体株周辺で物色の裾野が一段と広がる流れにある。相変わらず指数寄与度の高い主力銘柄が中軸を担っていることに変わりはないが、買い主体が異なってもホットマネーが集うエリアは概ね決まっていて、中小型株に強烈な上昇パフォーマンスを演じる銘柄が相次ぐ。村田製作所を筆頭とする積層セラミックコンデンサー(MLCC)関連人気も、元を正せばAIデータセンターという旗艦テーマからスピンアウトして脚光を浴びた銘柄群である。
MLCCの次に来る“スピンアウト物色人気”がどこに来るかというのが投資マネー関心事でもある。そのなか、半導体関連と密接な関係性を有するのが、実装の土台となるプリント基板で、関連銘柄が動兆サイクルに入っている。このテーマの出世頭は北川精機<6327>であることは論をまたない。同社はプリント基板用真空プレス機のグローバル・ニッチトップであるが、GPUを搭載するAIサーバー向けで高多層・高性能なプリント基板材料である銅張積層板(CCL)に爆発的なニーズが発生、CCL成形用真空大型プレス機に怒涛の需要が押し寄せる格好となった。株価は折しもきょう波乱局面に遭遇し、ストップ高後のストップ安で目先天井をつけた感は否めないが、きょうのストップ高まで初動時の2月上旬から4カ月弱でほぼ7倍化した実績は特筆に値する。このほか、直近ではプリント基板メーカーの京写<6837>が今週に入り動兆した。きょうは上ヒゲ形成ながら一時80円高のストップ高で410円まで急騰する場面があった。
ここからプリント基板関連としてマークしておきたい銘柄では、まず石井表記<6336>を挙げておきたい。プリント基板製造装置の大手メーカーでパッケージ基板の設備投資需要を取り込んでおり、大化けした北川精機とビジネスモデルが近い。営業利益は前期の26%増益に続いて、今期(27年1月期)は1.3%増の11億5500万円と微増を見込むが保守的とみられる。また、高付加価値プリント基板で引き合い旺盛な日本CMK<6958>にも目を配っておきたい。自動車向けが主力だが新たな成長領域としてAI関連ニーズも取り込んでいく構えだ。
半導体セクターでは素材関連にも幅広く物色の矛先が向いている。フォトレジスト世界トップシェアの東京応化工業<4186>や、半導体シリコンウエハーの専業メーカーとして世界屈指の商品競争力を誇るSUMCO<3436>などがその代表選手だが、半導体材料の銘柄領域は対象範囲が広い。目先チェックしておきたいのが、マド開け急騰後に2000円近辺でもみ合い、大勢2段上げの機を窺う日本化薬<4272>だ。火薬製造で業界を先駆するが、半導体封止用途で使われるエポキシ樹脂などを手掛け、需要獲得が進んでいる。また、半導体向け特殊ガス供給装置を製造し、キオクシア関連の有力株であるジャパンマテリアル<6055>は上下動を繰り返しながらも下値切り上げ波動を継続中で、こちらもチェックしておきたい。
このほか、ハリマ化成グループ<4410>はPBRや配当利回りから純粋に割安感が強い。同社はロジン(松ヤニ)を原料とする化学品の草分けで、半導体を含む電子材料で商機を捉えている。同社が製造する導電性ペーストは熱伝導性に優れ、次世代パワーデバイス分野などで実績が高い。そして番外として、目を配っておきたいのが新日本理化<4406>だ。200円前後の低位に放置されてはいるが、れっきとした有配株でPBRは0.3倍台、株価修正余地は大きい。半導体関連では感光性ポリイミド(PSPI)用酸無水物が戦略商品の有力候補で日の目を見る可能性がある。
あすのスケジュールでは、5月のマネタリーベースが朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に10年物国債の入札が予定される。午後には5月の財政資金対民間収支が発表される。また、取引終了後に開示される5月の国内ユニクロ既存店売上高にもマーケットの視線が向う。海外ではポーランド中銀が政策金利を決定する。このほか、5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値や4月の米雇用動態調査(JOLTS)などに耳目が集まる。また、セキュリティープラットフォームを手掛けるパロ・アルト・ネットワークス<PANW>の決算発表が予定されている。なお、マレーシア市場は休場。(銀)
株探ニュース