決算シーズン突入、好業績銘柄から派生する「連想買い」リスト総まくり <株探トップ特集>

特集
2022年7月21日 19時30分

―個別企業の好決算はセクター人気に発展も、サプライズ決算は絶好の買い好機―

4-6月期決算の発表ラッシュが本格化する。3月期決算企業を中心に多くの企業が発表を行う予定にあり、株式市場では決算を巡る物色が盛り上がりをみせることになる。この時期は企業業績を受けた個別銘柄ごとの売買が軸となるわけだが、他方でサプライズ決算によって株価を動意させる銘柄が出てきた際に同業銘柄への思惑物色からセクター人気へと発展するケースもしばしばみられる。海運株が良い例で、昨年に商船三井 <9104> [東証P]の好決算を起点として海運株全般に物色が広がった経緯がある。以下では、個別の決算で連想買い(あるいは連想売り)が働く可能性のあるセクターを取り上げてみた。

●22日~東京製鉄、鉄鋼セクター決算の一番手

22日は、東京製鐵 <5423> [東証P]の決算が要マークとなる。鉄鋼セクター主要各社のなかで一番手に発表を行う銘柄であり、前述の海運株と同じく同社決算を起点としてセクター物色が活発化した経緯がある。

●25日~コーテクHD、26日~キヤノン決算でカメラ・プリンター関連

25日は、コーエーテクモホールディングス <3635> [東証P]が決算を発表する。ゲーム関連株の決算の前哨戦として、翌26日発表のカプコン <9697> [東証P]とともに注目だ。8月3日発表の任天堂 <7974> [東証P]や、その後に続くコナミグループ <9766> [東証P]、スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> [東証P]、バンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]に目を配っておきたい。

26日発表のキヤノン <7751> [東証P]の決算は、同社が手掛けるカメラとプリンターそれぞれの関連銘柄に視線が向かう可能性がある。 カメラではニコン <7731> [東証P]、 プリンターではセイコーエプソン <6724> [東証P]やリコー <7752> [東証P]、ブラザー工業 <6448> [東証P]など。

●27日~信越化など半導体関連、ファナック、中部電

27日には 半導体関連主力どころの信越化学工業 <4063> [東証P]、SCREENホールディングス <7735> [東証P]が決算を発表する。台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>の好決算を受けて半導体需要の強さが改めて確認されており、国内の半導体関連各社の業績にも期待がかかる。21日に発表を行ったディスコ <6146> [東証P]は大幅増収増益で着地している。28日にルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]とアドバンテスト <6857> [東証P]、8月4日に信越化と同じウエハー大手のSUMCO <3436> [東証P]、5日にレーザーテック <6920> [東証P]、8日に東京エレクトロン <8035> [東証P]と続く。

このほか27日には、ファナック <6954> [東証P]や中部電力 <9502> [東証P]、JR東海 <9022> [東証P]、三菱自動車工業 <7211> [東証P]が発表を行う。ファナックの決算でハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [東証S]、SMC <6273> [東証P]などFA関連、中部電の決算で電力株、JR東海の決算でJR各社に耳目が集まるだろう。三菱自の決算を巡っては、アライアンスを組む日産自動車 <7201> [東証P]に関心が向かいそうだ。

●28日~アップルなど海外決算に注目、NECや日立建機も

28日は米国主要企業の決算に注目。アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、インテル<INTC>があり、まずはアップル関連に位置づけられる村田製作所 <6981> [東証P]やTDK <6762> [東証P]、太陽誘電 <6976> [東証P]など。アマゾンと同じくネット通販を展開する楽天グループ <4755> [東証P]、インテルを主要顧客に持つ半導体パッケージ大手のイビデン <4062> [東証P]と新光電気工業 <6967> [東証P]を押さえておきたい。

NEC <6701> [東証P]の決算は、富士通 <6702> [東証P]をはじめとする一連のデジタルトランスフォーメーション(DX)関連株の注目度を高めそう。また、日立建機 <6305> [東証P]の決算はコマツ <6301> [東証P]など建機関連、東邦チタニウム <5727> [東証P]の決算は同じくチタン大手の大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> [東証P]に連想が働くとみられる。

●29日~海運の商船三井、EV関連の田中化研、デンソーやポーラHDなど

29日は海運大手の商船三井が登場、既に商船三井を含む海運大手3社は21日にそろって通期上方修正を発表している。田中化学研究所 <4080> [東証S]の決算発表もあり、電気自動車(EV)関連株を注視したい。既に発表を終えた米EV大手テスラ<TSLA>やEV関連中核の日本電産 <6594> [東証P]の決算内容は、いずれも好調だった。

また、デンソー <6902> [東証P]、ポーラ・オルビスホールディングス <4927> [東証P]、ジェイテクト <6473> [東証P]の決算が見逃せない。デンソーについては主要顧客のトヨタ自動車 <7203> [東証P]やトヨタのグループ各社、ポーラHDについては化粧品株に投資家の関心を向かわせそうだ。ジェイテクトは例年場中に開示しており、日本精工 <6471> [東証P]やNTN <6472> [東証P]などベアリング関連が注目される。

●8月~百貨店や旅行関連、商社株など

8月に入ってからも連想買いのターゲットは豊富だ。まず1日は、三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]の決算がある。4日発表のエイチ・ツー・オー リテイリング <8242> [東証P]や2月期決算企業の高島屋 <8233> [東証P]など百貨店株へ思惑が波及しそう。

2日は商社株の動向を注視。三菱商事 <8058> [東証P]、三井物産 <8031> [東証P]、双日 <2768> [東証P]が決算を発表する予定で、いずれも例年場中に開示することが多い。AGC <5201> [東証P]の決算は、5日発表の日本板硝子 <5202> [東証P]に連想が向かうかもしれない。4日はトヨタの決算で再度トヨタグループ各社に視線が集まるとみられるほか、昭和電工 <4004> [東証P]の決算から黒鉛電極関連の東海カーボン <5301> [東証P]や日本カーボン <5302> [東証P]、三井E&S ホールディングス <7003> [東証P]の決算からグループ会社の三井海洋開発 <6269> [東証P]へ。

5日はゴールドウイン <8111> [東証P]、オープンドア <3926> [東証P]、日本電波工業 <6779> [東証P]の決算が明らかになる。ゴルドウインについてはヨネックス <7906> [東証S]やミズノ <8022> [東証P]、アシックス <7936> [東証P]といったスポーツ関連、オープンドアはエアトリ <6191> [東証P]、アドベンチャー <6030> [東証G]などの旅行サイト関連、日電波は大真空 <6962> [東証P]、リバーエレテック <6666> [東証S]といった水晶関連の注目度を高めるだろう。

8日は東エレクの決算で改めて半導体関連、レノバ <9519> [東証P]の決算で再生可能エネルギー関連、住友ゴム工業 <5110> [東証P]の決算でブリヂストン <5108> [東証P]などタイヤ関連に。10日はパーソルホールディングス <2181> [東証P]とエン・ジャパン <4849> [東証P]の決算から人材関連、ゼンショーホールディングス <7550> [東証P]とコロワイド <7616> [東証P]の決算から外食関連、12日はオープンハウスグループ <3288> [東証P]の決算から住宅関連にそれぞれ関心が向かうことになりそうだ。

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