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自動車業界のゲームチェンジャー、進化ステージ走る「SDV」関連株 <株探トップ特集>

特集
2026年10月1日 19時30分

―業界を支える重要テーマ、ビジネスモデルが大きく変わる可能性も―

日産自動車 <7201> [東証P]とホンダ <7267> [東証P]は8月31日、次世代車であるソフトウェアディファインドビークル(SDV)の分野で協業すると発表。SDVの中核を構成する複数の電子制御ユニット(ECU)と、そのECU上で動作する車載OS(基本ソフト)、ミドルウェアと車両制御ソフトの主要部分を共通化し、2029年度以降の新型車に搭載するという。先進運転支援システム(ADAS)や自動運転といった最新技術は複数の部品と連携しながら制御する必要があり、ビジネスモデルに大きなゲームチェンジをもたらしそうなSDV関連銘柄に目を向けてみたい。

●車の価値はハードからソフトへ

SDVとは、クラウドとの通信により、自動車の機能を継続的にアップデートすることで、運転機能の高度化など従来車にない新たな価値が実現可能な次世代の自動車のこと。スマートフォンのようにソフトを更新することで、運転支援機能や事故防止機能の改善、新機能の追加、自動運転の精度向上などができるようになる。従来はエンジンなどのハードウェアが自動車の性能を決定づけてきたが、SDVは搭載されるソフトウェアによって性能が左右されることになり、ビジネスモデルは「売り切り型」のハードウェアから購入後も機能やサービスが進化する「継続的収益(サブスクリプション)型」へと大きく変わりそうだ。

自動車業界はデジタル技術の進展により変革期を迎えているほか、グローバルな競争も激化している。自動車のデジタルトランスフォーメーション(DX)は電動化と並ぶ重要な競争軸となっており、その中心といえる重要なイノベーションがSDVだ。高市早苗政権が戦略17分野における主要な製品・技術のひとつとして掲げる自動運転技術の進化にはSDVが必須であり、今後の更なる市場拡大が見込まれる。

●次世代車開発のカギを握る銘柄群

モルフォ <3653> [東証G]は9月2日、自動車部品メーカーのAstemo(東京都中央区)とSDVに関するカメラ技術領域における共同開発を開始すると発表。これはモルフォが積み上げてきた車載AI・画像処理技術を次世代の自動車プラットフォームに本格展開するもので、Astemoとの共同開発を通じて技術開発の更なる加速と事業拡大を目指す考え。主たる共同開発テーマとして、SDVの進化に重要なカメラセンシングに関して、走行環境や乗員の状態把握に必要なAIのアルゴリズムとその軽量実装を掲げている。

日本精機 <7287> [東証S]はSDV時代を見据えたソフト領域への研究開発投資と人材育成を加速している。9月2日には子会社が展開するソフト開発事業をベトナムの情報通信技術(ICT)企業であるFPTグループが新たに設立した会社に譲渡すると発表。これは両社の協業を日本・ベトナムから欧州へと拡大するもので、現地での開発・運用体制を強化するとともに、車載製品関連ソフトなどの設計・開発業務における品質向上と競争力強化を目指すもの。また、同日には日精機とFPTジャパンホールディングスが業務提携したことも明らかにした。

ティアフォー <593A> [東証G]は8月20日、ルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]と協業し、SDV向けのオープンかつAIネイティブなコンピューティングプラットフォームを構築すると発表。この協業では、ティアフォーの自動運転ソフト技術及び自動運転用オープンソースソフトの「Autoware」と、ルネサスの次世代車載システム・オン・チップ「R-Car」を組み合わせることで、レベル4の自動運転までに対応した拡張性の高いソリューションを提供するという。

ユビキタスAI <3858> [東証S]は7月22日、SDV開発を支援するSILS(Software-in-the-Loop:実際の制御ソフトをパソコン上の仮想環境で動作させ、制御対象と接続することでシミュレーションによる検証を行う手法)方式によるソフト検証ツール「GSIL」の今後の開発ロードマップを公表。車載イーサネット(車載ネットワークに適した規格による通信技術)対応の強化、網羅的な自動テスト機能の強化、Linux(リナックス)環境への対応を掲げ、SDV対応を主目的とした技術開発の成果を生かして組み込み機器全般へと適用領域を拡大していく構えだ。

シーイーシー <9692> [東証P]は6月17日、自動車メーカーやサプライヤーの車載組み込み開発向けに「Connected SynQuest(コネクティッドシンクエスト)」の提供を開始した。これは自動運転やSDVの開発に必要な車両制御情報とカメラ映像を時刻同期し、そのログデータを収集・同期まで自動化する時系列データ統合モニタリングツール。同期を自動化することで、手作業により発生していた担当者ごとの品質のばらつきを軽減するとともに、工数を最大約70%削減し、開発業務の効率化につながるという。

●システナ、日本ラッドなどにも注目

このほかの関連銘柄では、車載ソフト開発やクラウドを軸とするSDV領域を中核事業のひとつに位置づけているシステナ <2317> [東証P]、SDV時代に向けた各種ソリューションを提供するテクマトリックス <3762> [東証P]、モデルベース開発を支援するエクスモーション <4394> [東証G]、SDV体験シミュレーション環境「MESH」開発に参画したヴィッツ <4440> [東証S]、グループ会社がSDV開発を加速させるためのエンジニアリング支援を行っているSOLIZE Holdings <5871> [東証S]、SDV向けの仮想化車載テストソリューションを手掛けるアンリツ <6754> [東証P]などが挙げられる。

また、車載・産業・民生機器向けのセキュリティーソリューションとして、高速アプリケーション実行前検証エンジン「Pre Execute Verification(プレ・エクゼキュート・ベリフィケーション、PEV)」を展開する日本ラッド <4736> [東証S]にも注目。SDVでは車両機能の追加・改善・保守がソフト更新を通じて行われることから不正なソフト侵入や改ざんに対する防御が重要となるが、この課題に対応するのがPEVだ。

株探ニュース

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