概要・株価
チャート
ニュース
かぶたん ロゴ
PR

【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─業績面で買い安心感、AI関連軸に堅調な展開へ

市況
2026年5月31日 14時00分

「業績面で買い安心感、AI関連軸に堅調な展開へ」

●FRB新議長の舵取りに市場の注目集まる

6月の東京株式市場は、イラン戦争の終結期待や好調な企業業績を背景に堅調な展開が予想される。米国では1-3月期に主要ハイテク企業を中心に好決算となり、日本でも企業決算は概ね良好だった。原油価格のピークアウト感も下支え要因となろう。一方、日米でのインフレ懸念やイラン情勢の悪化が警戒されそうだ。

日経平均株価の予想レンジは6万1000円~7万1000円。

日本の3月期決算企業の業績は想定以上に順調だった。27年3月期の業績予想については、当初は原油高の影響で慎重な見通しになるとみられていた。日経平均株価の1株利益は決算発表直前の4月23日は2890円だったが、決算発表が一巡した5月27日には3674円まで上昇している。4月23日に20倍だったPER(株価収益率)は株価上昇にもかかわらず5月22日に18倍まで低下している。単純な計算では今期の1株利益は前期比27%の伸びとなる。半導体やデータセンター関連がけん引役となっている。原油高にもかかわらず、素材や化学関連も総じて堅調な予想である。自社株買いや増配に進む企業も多く、業績面からは買い安心感がある。

大手調査機関によれば、全産業の27年3月期の純利益は前期比5%増の見通し。NT倍率(日経平均株価÷TOPIX:東証株価指数)の高さが指摘されるものの、業績面からはハイテク株の多い日経平均採用銘柄の業績好調が背景となっている面がある。日経平均株価がPER20倍なら7万3000円までの上昇余地がある。

主なスケジュールは米国で、5日に5月雇用統計、10日に5月消費者物価、11日に5月卸売物価、17日にFOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表、25日に5月個人所得・個人支出などが予定されている。FOMCでは新しくFRB(米連邦準備制度理事会)議長に就任したケビン・ウォーシュ氏が記者会見を行う。トランプ大統領はパウエル前議長を「遅すぎる男」と呼び、利下げに慎重な姿勢に不満を示していた。中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇など、インフレ圧力が強まる中で新議長率いるFRBがどのような方向性を示すのかへの関心が高い。

日本では、8日に5月景気ウォッチャー調査、12日に先物・オプションの特別清算指数(メジャーSQ)算出、16日に日銀金融政策決定会合の結果発表などがある。現場で働く人々の肌感覚を示す景気ウォッチャー調査(街角景気)は、日経平均株価との連動性が高いといわれる。物価高などがどう反映されるか。メジャーSQでは需給面の変化があるかがポイントだ。日銀金融政策決定会合については、市場では0.25%の利上げを織り込みつつある。植田日銀総裁が会見で今後の見通しを示唆するかも注目される。

●3メガバンクなどバリュー系企業の健闘にも着目

物色面では、 半導体AI(人工知能)関連が軸であることに変わりがなさそうだ。ディスコ <6146> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]などの主力株に加え、パッケージ基板のイビデン <4062> [東証P]、データセンター向けプリント配線板のメイコー <6787> [東証P]、光ファイバーの古河電気工業 <5801> [東証P]、半導体ガスの関東電化工業 <4047> [東証P]、超純水装置の野村マイクロ・サイエンス <6254> [東証P]、AI半導体向け検査装置の浜松ホトニクス <6965> [東証P]、ウエハー洗浄装置のSCREENホールディングス <7735> [東証P]などの業績予想が強い。

また、AIサーバー向けに事業が成長している積層セラミックコンデンサ(MLCC)を手掛ける村田製作所 <6981> [東証P]や太陽誘電 <6976> [東証P]、TDK <6762> [東証P]、京セラ <6971> [東証P]の決算も良好だ。

NAND型フラッシュメモリー世界大手のキオクシアホールディングス <285A> [東証P]の26年4-6月期の連結営業利益予想は1兆2980億円(前年同期比29倍)とサプライズとなった。メモリー関連では、日本マイクロニクス <6871> [東証P]が半導体検査器具のプローブカード大手で、メモリー向けで世界シェア3割と首位にある。ニコン <7731> [東証P]は半導体メモリーの積層化が進む中で、これに対応した「貼り合わせ(ボンディング)工程」で高い貼り合わせ精度を実現した計測装置を開発している。歩留まりの向上に役立つ。KOKUSAI ELECTRIC <6525> [東証P]はHBM(広帯域メモリー)など向けの成膜装置に強みがある。メモリー関連ではないが、工場の管理業務を包括的に提供するジャパンマテリアル <6055> [東証P]はキオクシアHDが最大顧客だ。

このほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]の メガバンク3行がいずれも今期増益予想に加え、増配と自社株買いを発表するなど、バリュー系企業の健闘も目立つ。バリュー系ではオリックス <8591> [東証P]、東京海上ホールディングス <8766> [東証P]のほか、PBR(株価純資産倍率)が低く相対的に出遅れているトヨタ自動車 <7203> [東証P]、日本製鉄 <5401> [東証P]、王子ホールディングス <3861> [東証P]、三井化学 <4183> [東証P]、三菱ケミカルグループ <4188> [東証P]などの押し目には妙味がある。

(2026年5月29日 記/次回は6月28日 配信予定)

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集